前回、「虫除けになるハーブ」についてお話ししたところ、「近所の野良猫に花壇を荒らされてしまいます。何かいい方法はないでしょうか?」と、エバーグリーン読者の方からこんな質問があったそうです。
庭だったり、玄関先の花壇だったりには、さまざまなお客さんがやってきます。植物談義に花を咲かせられる楽しいお客さんだけならいいのですが、そういう訳にもいかず……。美しい葉っぱをモリモリ食べてしまう虫や病気を媒介するナメクジなど困ったお客さんも多いですね。ご質問のように猫に悩まされているという話もときどき耳にすることがあります。
いつもはかわいい猫でも、丹精込めて育てた草木花を荒らされてしまうとなると、やはり訪問はお断りしたくなる気持ちもわかります。自由気ままな猫から完璧に草木花を防除することはなかなか難しいですが、少し工夫をする、その通り道や近付いてほしくない場所に猫の苦手な匂いのする植物を植えることで、被害を最小限に留めることは可能です。また、この機会に、飼い主さんにも、猫が苦手だったり、ときには危険だったりする植物についてもぜひ知っておいていただければと思います。
- ニラ・ネギ類
ネギ類に含まれる成分は猫の血液中の赤血球のヘモグロビンを酸化させ溶血性貧血を引き起こします。そのためネギ類は猫にとって危険な植物の一つとされ、ネギ特有の香りを嗅ぐと警戒する猫も多いようです。
ニラ・タマネギ・ワケギ・ラッキョウ・アサツキ・ニンニク・チャイブもネギと同様に、猫に危険な成分が含まれています。これらの植物を人間の食用として庭や花壇に植えておくと、その近くには猫も警戒して近づいて来ないでしょう。
ただし春に白色や青色の星形の花が咲き葉を千切ると強烈なニラ臭が漂うハナニラは同じネギの仲間でも食用ではありませんから、人間も決して口にしないように注意してくださいね。
- カレープラント
猫は、スパイスや香辛料の香りを嫌います。トウガラシやコショウなどの刺激臭に警戒するからでしょうか。カレープラントはキク科の植物で茎葉からカレーのようなスパイシーな香りがする植物です。苦味が強いので直接の食用に適しませんが、料理の香り付けに使うことができます。
また、乾燥に強いのでドライフラワーにして長く楽しむこともできます。美しい銀灰色の葉でリースを作り、猫に近寄って欲しくない場所へ飾ると効果があるかもしれません。
- 木酢液
植物ではありませんが、木酢液の独特の香りも猫が苦手とする香りのようです。害虫の忌避剤にもなりますので、こまめに植物や猫の通り道になっている場所にスプレーするとよいでしょう。トウガラシの鷹の爪やニンニクを潰したものをボトルの中で混ぜて自家製の木酢液を作っておくことをお勧めします。
猫にも猫ごとに好き嫌いがあり、全ての猫に同じ方法が効くとは限りません。また回数を重ねている間に慣れてしまうこともあるようです。
かわいい猫と草木花が共存できるような環境が作れるといいですね。
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