[ボリジ]食べられる星|ムラサキ科ルリヂシャ属|エバーグリーン

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8月は人間にも植物にも過ごしにくい天候が続いていましたが、木陰に入り風が吹くとちょっと呼吸が楽になる気がして植物の存在のありがたみをしみじみと感じていました。そんな暑さに気の抜けない日々がもう少し続きますから、さらに恩恵を受けられる植物を今回は紹介しましょう。

全体的に白っぽく見える草姿に青い花が映えるボリジ

全体的に白っぽく見える草姿に青い花が映えるボリジ

 

ボリジ」は別名“スターフラワー”とも呼ばれるムラサキ科の一年草です。全草が白く固い毛に覆われていて、伸びた花茎の先に小さな星型の花を下向きに咲かせます。咲き始めは淡いピンク色をしている花がしだいに爽やかな青色に変化するのが不思議な特徴です。葉や茎、花を柔らかく触るとほのかに青臭いキュウリを切ったときのような香りがします。

花には毛が生えていないので食用にできる

花には毛が生えていないので食用にできる

 

青色に変化してすぐの頃の花を蕚(がく)から外せば、食用になります。水の中に沈めて凍らせて飲み物に浮かべるといつもの飲み物がさらに涼しげに。卵白にくぐらせたあと砂糖をふって固めるとボリジの花の砂糖漬けができます。紅茶に浮かべたりクッキーやケーキの上に飾るのもよいでしょう。しっかり洗った生のままでサラダの彩に散らすのも楽しいです。実は花だけでなく、若い茎葉もサラダや天婦羅にして食べることができます。ただし肌が弱い方だと茎葉に生えた毛にかぶれたり、ムラサキ科の植物に微量に含まれる物質は多量に摂取しないほうがいいのでお気を付けください。

 

栽培は初心者さん向けです。こぼれた種だけでも簡単に芽吹いて殖えますし、冬は地面にぺったり広がったロゼット状になって寒さに耐えます。ただし根の数が少ないので移植を嫌いますから、植え替えをする予定ならばできるだけ株が小さいうちに行ないましょう。掘り上げるときには株の周囲から広くスコップを入れて土ごと移動させるようにします。また、茎がストロー状で強い風には弱いので、花茎が伸びて草丈が高くなったら軽く支柱をしてやることをおすすめします。

食べられる星の花を育てて、食卓にも夜空を広げてみませんか。

 

水戸市植物公園 宮内元子)


全体的に白っぽく見える草姿に青い花が映えるボリジ