キモクレン

モクレン属 キモクレン
学名： Magnolia acuminata

〔基本情報〕
原産地では森林の谷沿いや林内の湿り気のある場所でみられ、ふつう高さ10～20m、ときに30mにもなる落葉高木。
ピラミッド状の樹形となります。
樹皮は暗灰褐色で縦に割れ目がはいります。
葉は互生する単葉で、長さ12～25cm、幅6～12cmの楕円形～卵形で、葉先はとがり、葉の縁は全縁です。
葉柄の基部に枝をとりまくように托葉痕があります。
葉の展開と同時期に開花し、花は小枝の先に上向きに単生し、長さ5～10cmほどで黄緑色～黄色、花被片は6枚あります。
花にはやや芳香があります。
果実は長さ6～8cm、径4cmの袋果で、熟すと割れて、オレンジ色の種子が白い糸状組織でぶら下がります。

〔利用〕
つぼみと花は食べられます。
北米先住民が樹皮抽出物を薬用として用いました。
材は合板や器具材などに利用できます。

〔栽培〕
増殖は実生か接木によります。
実生の場合、開花まで長い場合12年以上かかることもあります。
大気汚染に弱く、成木での移植は困難です。
日向～半日陰で、水はけがよく、土層が深い適度に湿り気のある肥沃なやや酸性の土壌を好みます。
極端に乾燥したり湿っている場所は嫌います。
水やりは乾燥しないように注意し、鉢植えの場合は土の表面が乾いたらたっぷりと与え、地植えの場合は夏に晴天が続いて乾燥しないかぎりは降雨にまかせます。
施肥は寒肥のほか花後のお礼肥として有機質の肥料を施します。
剪定は好まないので、開花後すぐに不要な枝を切る程度にとどめます。
病虫害は比較的少ないです。

〔備考〕
若い果実がキュウリに似ることが英名の由来です。