オニユリ

ユリ属 オニユリ
学名： Lilium lancifolium var. lancifolium

〔基本情報〕高さ100～200cmになる多年草。
人里近くの田の畦、路傍などでみられます。
地下に径5～8cmの扁球形～卵球形で肉質、黄白色の鱗茎をもちます。
茎は暗い紫色を帯び、若いうちは白い綿毛があります。
葉は互生する単葉で、長さ5～15cmの披針形、全縁です。
葉柄はありません。
葉の腋には紫褐色のむかご（珠芽）がつき、むかごでも繁殖できます。
茎の上部に総状～円錐花序を出し、数個～20個の花が斜め下向きに咲きます。
花は漏斗状です。花被片は強く反り返り、長さ7～10cmで橙赤色、内面には黒褐色の斑点があります。
花粉は黒褐色です。
果実はふつうできません。

〔来歴〕果実ができないことや多くは3倍体であることなどから日本に分布するものは古くに中国から食用として伝来したものが広まったという考えもあります。

〔利用〕鱗茎はやや苦味がありますが、百合根と呼んで食用にされます。

〔栽培〕増殖は鱗片挿し、むかご（珠芽）によります。
日当たりと水はけがよい腐植質に富んだ土壌を好みます。
過湿を避け、排水と通風をよくするようにします。冬は寒風が当たらないようにします。
鉢植えの場合は土の表面が乾いたら水を与え、地植えの場合はひどく乾燥しないかぎり潅水は必要ありません。
肥料は元肥としてリン酸およびカリがメインの緩効性肥料を与え、春から開花期まではチッ素・リン酸・カリ等量の追肥をほどこします。
病害虫としてはウイルス病、腐敗病、アブラムシなどがあります。