植物好きなら必ずハマる
タイトル『植物図鑑』。「図鑑の紹介ですか?」と思われそうですが、有川浩氏の小説です。ちなみに有川氏、筆者は男性かと思い込んでいましたが、浩と書いて読み方はヒロ。女流作家さんです。この『植物図鑑』、初版は平成25年1月10日で平成28年までに33回も重版されている「お嬢さん、よかったら俺を拾ってくれませんか」からはじまるベストセラー!
『植物図鑑』のおもしろさはミニ図鑑とレシピ付き
もう読んでしまった方はご存じであろうと思われますが、この小説、なんとお話に登場する植物がよくわかるように植物写真のグラビア付きです。そして巻末にはレシピも! というワケでこの本を持って植物散策(小説の中では「狩り」と表しています)ができます。
紹介されているトップバッターは「へクソカズラ」。夏によく目にするあの花です。そしてお話のなかでこの花のキュートな別名が紹介されています。インパクトのつよい植物名はこのへクソカズラ以外にも女の子が堂々と口にしないほうがよい春先のキュートな青い花も登場しています。花の名前っておもしろいなと思えます。
思わず作ってみたくなくレシピの数々
本著では「植物狩り」が数多く紹介され、実際に狩りをした植物を食する手法が書かれています。それも、都会でも目にすることができる、都会にいてもちょっと足を伸ばせば必ず出あうことができる植物……、いえ、食材のオンパレードです。最初に紹介される狩りでは、ツクシ、フキ、フキノトウが登場。
フキに関してはかなりマニアックなことまで書かれてあり驚きました(筆者が知らんだけや~~かもです)。そして食べ方ですが、シンプルなフキご飯! なんだか作ってみたくなります。
続いてノビルにセイヨウカラシナ、タンポポにイヌガラシ、アカザ、シロザなどなど。食してみたくなるもの満載で食いしん坊なら読まずにいえ作らずには、いられなくなりそうです。食べることだけでなく、野の花を生活に取り入れる素敵なアドバイスもあり、忘れていたなにかを思い出すことができるかも知れませんよ!
映画化もされています!
映画のタイトルは『植物図鑑 運命の恋、ひろいました』(キャスト:岩田剛典・高畑充希、監督:三木康一郎)。目に優しい緑がいっぱいのラブストーリー。もちろん、原作に登場する植物もたくさん見ることができます。ただし、原作に忠実に再現しているのかというとそうではないので、映画を見た方はぜひ原作も読んで欲しいかなと思います。
映画といえば、ちょっと気になる2枚のチラシ
映画といえば、5月28日公開予定の『ローズメイカー 奇跡のバラ』がとても気になっている筆者。カトリーヌ・フロ演じるがけっぷちのバラ園経営者と、職業訓練所から派遣された3人の素人が世界屈指のバラ・コンクールにチャレンジするというもの。新種のバラの交配がどんな風に誕生するのかが描かれているとのこと。
そしてもうひとつは5月14日公開の『しあわせのマスカット』てブドウ園が舞台とのことなので、公開前からワクワクしています!! コロナのシーズンですのでお出かけにはマスクもお忘れなく!
(グリーンアドバイザー ふじえりこ)