すっかり秋も深まって、そろそろ冬支度です。園芸作業も、来春のことを考えながら夏に楽しんだ植物を処分したり球根を植えつけたりする時期ですね。
春の花壇のテーマカラーはもう決めましたか? 春咲きの球根:スイセンやムスカリ、チューリップ等はもう準備しましたか? ふれあい植物センターの来春の花壇は、ピンクとオレンジ色のチューリップの根元に濃いピンク色のパンジーをぎっしり咲かせる予定です。
冬から春にかけて長く花を咲かせるパンジーは、園芸家にとってなくてはならない存在でしょう。様々な植物と組み合わせて寄せ植えにするもよし、花の色のバリエーションが豊かなのでパンジーだけで植えこむもよし。ただし、広い面積をぎっしり埋め尽くそうとするとそれなりの数が必要なので、お財布の中身と相談しなければなりません。そんな時に役立つのが種子です。そうだ! 種まきしよう!
パンジーの種まきに適した時期は、秋風を感じる9月中旬ころから10月下旬までです。夜間の温度が25度を超す熱帯夜が続くと、高温が苦手なパンジーは正常な生長ができません。また、11月以降は気温が低すぎて日照時間が足りないので芽が出ても大きくなりません。清潔な新しい土に種をまいて、芽が出るまでは日陰で乾燥させないように管理しましょう。
種まきするための容器は植木鉢でもいいですが、小分けになっているうえに使い捨てできる「たまごのパック」を私はおすすめします。たまご1つ分のくぼみに土を8分目まで入れ、中央に種を2、3粒まき薄く土をかぶせます。発芽までは乾燥させないのがポイントです。
芽が出て、双葉から本葉になったら日向の風通しの良い場所に移動させましょう。本葉が4枚くらい出れば移植の時期です。新しい割り箸の先端を削り、細かいものを摘まみやすいようにして使うと移動が楽になります。箸で、育っている芽を3、4本まとめて土ごとすくい上げ、小鉢やポットに植え替えます。
小鉢の中でパンジーの白い根が広がり、鉢から抜いても土がザラザラとこぼれないくらいまで生長したら定植時期です。花壇や寄せ植えに使用してください。定期的に追肥をしてやると、花を多く咲かせ長く楽しめます。種から育てた苗が花を咲かせると、喜びもひとしおです。栽培も簡単ですからぜひ挑戦してみてください。