12月もあと10日ほど。開花している植物もどんどん少なくなり、定番のパンジー、ビオラ、ガーデンシクラメンばかり目につくようになります。可愛いし寒さに耐えてしっかり育つ姿は健気だし、悪い点は何もないのですがなんだかもう少し華やかな植物が欲しい、と思ってしまうことはありませんか。私は……あります! いつもワガママばっかりだなと反省しきりなのですが、そんな時つい目がいってしまうのがクリスマスローズです。
鮮やかな花色、多様な形、花にも葉にも出る模様。しかも育種家の地道な努力により近年は毎年のように目新しい品種が登場するので、「今年のトレンドは何だろう」と楽しみになってしまいます。午前中日当たりがよければ、午後には日陰になってしまうような場所でもよく育つクリスマスローズは、とても丈夫なので庭植えに最高な植物の一つだといえるでしょう。
魅力いっぱいのクリスマスローズ。植えつけ時に排水性の良い土壌に植えこんでやれば、その後当分の間は手間いらず。でも、花をたくさん咲かせるためにひとつ大切なポイントがあります。それが「古葉取り」です。クリスマスローズの葉は自然に落ちることがありません。放置しておくと株元に古い葉がたまり、株元が暗くギュウギュウになってしまいます。
12月になり株元を見てみるとスイセンやチューリップの球根の芽のように尖った花芽が明確に土から出てきます。その頃には古葉が横に倒れ込んで草姿が乱れてくるので、古葉は根元から3cmくらいのところで消毒した園芸鋏で切り取りましょう。株元に日がさしこむと花芽がしっかり立ち上がり、すっきりした姿の花を楽しむことができるようになります。3cm残した基部は時間が経つと枯れます。病害虫の温床になるので、枯れたら手で抜き取りましょう。
今まで古葉取りをしたことがなくて古葉と新葉の違いが分からない方に、判別方法も紹介しましょう。古葉と新葉の違いは葉の色つやです。新葉は、緑色が鮮やかで葉の表面がテカテカつやつやしています。反対に古葉はくすんだ緑色でテカりがなく疲れた感じに見えます。
クリスマス頃に花を咲かせることから「クリスマスのバラ」と名付けられたクリスマスローズ。日陰に植えると場所が華やぎます。ぜひ栽培してみてください。