植物図鑑
フジカスミザクラ
サクラ属
フジカスミザクラ
学名:
Cerasus ×yuyamae nothovar. yuyamae
〔基本情報〕マメザクラとカスミザクラの雑種と推定される落葉小高木。
マメザクラとカスミザクラの混在する地域でみられます。
1年目の枝に褐色の毛が密にはえます。
若芽は褐色を帯びた黄緑色です。
葉は長さ2.3~7cm、幅1.5~3.5cmの倒卵形~長円状倒披針形で、葉の先はとがります。
葉の縁にやや欠刻状の鈍い鋸歯があります。
葉の表面にまばらに毛がはえ、裏面は無毛か脈上にのみ毛がはえます。
蜜腺は葉柄の上部にあるか葉身の基部にあります。
葉の展開と同時に開花します。
花は葉腋に出る散形花序に2~3個つき、白色の5弁花で、径1.4~1.8cmです。
花弁は長さ0.9~1.2cmの卵円形~広楕円形です。
雄しべは約45個、花柱は無毛です。
萼筒は長さ5mmの円筒形~鐘形で紅紫色を帯び、萼裂片は卵形~長楕円形で全縁です。
花柄は長さ5~8mm、小花柄は長さ1.5~2cmで、ときに毛がはえます。
果実は黒く熟し甘みがあります。
マメザクラは葉に先立って開花し、カスミザクラの果実は苦味があるという点で区別できます。
〔来歴〕湯山五策によって静岡県御殿場市で発見されました。
〔栽培〕増殖は挿し木、接ぎ木によります。
日当たりと水はけがよい場所を好みます。
庭植えで大木になって困る場合は、木の大きさをコントロールするため、布ポットで根が張るスペースを抑制するとよいです。
苗木のうちは株もとにワラを敷くなどして霜を防ぎます。
また、必要がなければむやみに枝を切らない方がよいです。
病虫害が多いため、注意が必要です。
〔備考〕種小名および変種小名のyuyamaeは発見者の湯山五策に献名されたものです。