ミヤマチョウジザクラ

サクラ属 ミヤマチョウジザクラ
学名： Cerasus apetala var. apetala

〔基本情報〕高さ4～7mほどの落葉小高木。
幹が基部から分岐して傘状の樹形となります。
葉は長さ4～8cm、幅2～4cmの倒卵形～長円状倒披針形で、葉の先は尾状にとがり、基部は円形～鈍形となります。
葉の縁にやや鋭い重鋸歯があります。
葉の両面には毛がはえ、特に裏面脈上に多くはえます。
葉柄にはやや縮れた長い開出毛がはえます。
蜜腺は葉柄の上部に2個つくほか、葉身の基部にも小さなものが数個つきます。
葉の展開と同時かやや早く開花します。
花は葉腋に出る散形花序に1～3個下向きにつき、白色～微淡紅色の5弁花で、径1.6～2cmです。
花弁は雄しべより長いです。
雄しべは約25個です。
萼筒は長さ7～11mmの筒形で基部がわずかに膨らみ、萼裂片は長さ3～5mmの三角状卵形です。
花柄は長さ2mmほど、小花柄は長さ0.7～2cmで、開出毛が密生します。
果実は径8mmほどで黒く熟します。
チョウジザクラとは萼筒や葉柄の毛がまばらな点、鋸歯の先がとがる点で区別できます。

〔栽培〕増殖は実生、挿し木、接ぎ木によります。
日当たりと水はけがよい場所を好みます。
庭植えで大木になって困る場合は、木の大きさをコントロールするため、布ポットで根が張るスペースを抑制するとよいです。
苗木のうちは株もとにワラを敷くなどして霜を防ぎます。
また、必要がなければむやみに枝を切らない方がよいです。
病虫害が多いため、注意が必要です。