植物図鑑
フユザクラ
サクラ属
フユザクラ
学名:
Cerasus ×parvifolia
〔基本情報〕
ヤマザクラとマメザクラまたはサトザクラとマメザクラの雑種と推定されている落葉小高木。
樹皮は紫褐色で光沢があり、若い枝は無毛です。
若芽は紅紫色を帯びた黄緑色です。
葉は長さ3~8cm、幅1.5~4.5cmの卵形~倒卵形で、葉の先はやや尾状にとがります。
葉の縁には重鋸歯にやや鋸歯がまざり、鋸歯の先はやや芒状になります。
葉の表面には毛がはえて光沢があり、裏面はほぼ無毛か脈上にのみ毛がはえます。
蜜腺は葉柄の上部または葉身の基部にあります。
花は10月ごろから咲きはじめ、11月下旬~12月上旬に最も多く咲き、冬の間もぽつぽつと咲き続け、春にまた多く開花する二季咲きです。
若葉は冬の開花期には出ず、春の開花時にやや展開します。
花は葉腋に出る散房花序に1~4個つき、はじめやや紅色を帯びますがのちに白色となる5弁花で、径2.9~3.6cmです。
花弁は長さ1.5cmほどの広卵形で、春の花では先が切れ込みます。
萼筒は筒形で紅紫色を帯び、萼裂片は長楕円形で全縁またはやや鋸歯があり、ともに無毛です。
冬の花では花柄はほとんどなく、小花柄は長さ0.3~0.4cm、春の花では花柄は長さ0.5~1cm、小花柄は長さ1~2cmとなり、わずかに毛がはえます。
果実は黒く熟し甘みがあります。
〔栽培〕
増殖は挿木、接木によります。
日当たりと水はけがよい場所を好みます。
庭植えで大木になって困る場合は、木の大きさをコントロールするため、布ポットで根が張るスペースを抑制するとよいです。
苗木のうちは株もとにワラを敷くなどして霜を防ぎます。
また、必要がなければむやみに枝を切らない方がよいです。
病虫害が多いため、注意が必要です。