サクランボ

サクラ属 サクランボ
学名： Cerasus avium

〔基本情報〕果樹として栽培され、高さ20mほどになる落葉高木。
樹形はピラミッド状です。
葉は長さ6～12cmの倒卵状長楕円形で垂れ下がる傾向があり、先はとがり、基部は広いくさび形となります。葉の縁にはふぞろいな鋸歯があります。葉の裏面には脈に沿って伏した毛がはえます。
蜜腺は葉柄の上部または葉の基部に2個つきます。
葉の展開と同時に開花します。
花は葉腋に出る散形花序に2～6個ずつつき、白色の5弁花です。花弁は長さ11～13mmの倒卵形です。
萼筒は長さ5mm、萼裂片は長さ5mmの長楕円形で反り返ります。
果実は径15～25mmで明赤～暗赤色に熟し、果肉は甘いです。
日本での主産地は山形で‘ナポレオン’や‘佐藤錦’などの栽培品種が有名です。

〔来歴〕有史以前から食用とされ、紀元前300年頃にはすでにギリシャで栽培されていました。
日本には明治初年に導入されました。

〔栽培〕増殖は実生、挿し木、接ぎ木によります。
日当たりと水はけがよい場所を好みます。
庭植えで大木になって困る場合は、木の大きさをコントロールするため、布ポットで根が張るスペースを抑制するとよいです。
苗木のうちは株もとにワラを敷くなどして霜を防ぎます。
また、必要がなければむやみに枝を切らない方がよいです。
病虫害が多いため、注意が必要です。
果実を野鳥の食害から守りたい場合はネットをかけるなどします。
また収穫期に雨にあたると果実が裂けることがあるので、雨よけが必要です。

〔備考〕太宰治の命日（6月13日）を「桜桃忌」と称します。