センジュガンピ

マンテマ属 センジュガンピ
学名： Silene gracillima

〔基本情報〕
山地～亜高山帯の林内や林縁の湿り気のある場所でみられる高さ0.4～1mの多年草。
茎は直立して上部で枝分かれし、軟毛がはえます。
葉は対生する単葉で、長さ5～14cm、幅1～3.5cmの披針形で葉先はとがり、無柄、質が薄く、やややわらかく、葉の縁は全縁です。
花は2出集散花序にまばらにつき、径2cmほどの白色の5弁花です。
花弁は平らに開いて、浅く2裂し、縁は欠刻状になります。
雄しべは10個です。
萼は円筒状ですが果実期には鐘形になります。
花柄は長さ2～6cmで細長いです。
果実は卵球形の蒴果で、上部が5裂して種子を出します。

〔栽培〕
増殖は実生、株分け、挿芽によります。
日向～半日陰で水はけがよく肥沃なやや湿った土壌を好みます。
水やりは水切れしないよう注意し、鉢植えの場合は土の表面が乾いたらたっぷりと与え、地植えの場合は夏に晴天が続いて乾燥しないかぎりは降雨にまかせます。
施肥は元肥のほか、春と秋に緩効性化成肥料を置き肥します。
5～6月に摘芯をすると、脇芽が出て花数が増えます。
病虫害は特にありません。

〔備考〕
名前は、栃木県日光中禅寺湖の千手ヶ浜で発見され、中国原産の岩菲（センノウ）に似ることからつけられたとされます。
花弁の切れ込みを千手観音の手に例えたとする説もあります。