前回、広島の「花みどり公園」で満開のシャクナゲ園を満喫したお話をしましたが、実は、その日花みどり公園を訪れたのには、もうひとつの目的がありました。それは、『春のコケ玉づくり講座』に参加すること。
会場につくと、テーブルの上には、材料が入った受け皿が並んでいました。メインは、なんといってもコケ。コケ玉に使用するのは、山間部の岩肌などに映えていることが多い「ハイゴケ」という種類のコケだそうです。
コケ玉に植える植物は、モミジ、ナルコユリ、エレモフィラ・ニベア、メギ、ユリオプスデージーの5種類からひとつを選びます。私は、初めて目にするエレモフィラ・ニベアを選びました。
お手本には、ほかの植物を植えたコケ玉も並んでいます。不器用なわたしにうまく作れるのか、ドキドキ。さて、いよいよコケ玉作りスタートです。
コケ玉の作り方は?
- まずは、コケの掃除。落ち葉や枝などをピンセットできれいに取り除きます。
- ポットから植物を出して、余分な土を落とし手のひらで握れるくらいの大きさに。根が回って角になっている部分は、ハサミで切ってもよいそうです。
- 手のひらにハイゴケを広げ、植物の根を包み、しっかり握りながら丸い形に整えます。
- 形を整える時のコツ ーーー 植物の根元を人差し指と中指で挟んで、泥団子を作る要領でギュッギュッと強く握ります。下を少し平らにしておくと、置いたときに安定します。
- 形が整ったら、コケが崩れないように、テグスで巻いていきます。巻き始めと巻き終わりのテグスは、ピンセットで挟んでコケ玉の中に押し込みます
- 巻き方のコツ ーーー 植物の根元でテグスがクロスするように、縦に巻いて行くと全体的に均等に巻けます。
植物の根を遠慮がちに握っていたら「もっと強く握って形を作るんだよ」。テグスの巻き方にてこずっていると「クロスする部分を抑えながら、ギュッと縛るように巻いていくといいよ」などと、ボランティアスタッフの方が丁寧に教えてくださって、なんとかコケ玉らしい形に仕上がりました。
エレモフィラ・ニベアは、初夏には紫色の小さな花を咲かせるそう。今から、どんなふうになっていくのか、楽しみです。
コケ玉の管理方法は?
コケ玉の置き場所は、直射日光が当たらない場所。
水やりは、夏は1日1回、冬は2日に1回が目安。重さで判断するとよいそうです。軽くなっているのは、かなり乾いている証拠。そんな時は、水を張ったバケツなどに、コケ玉を丸ごとつけて、空気が抜けるまで十分に水に浸します。
スタッフの方によれば、ふつうは雑草扱いされてしまうような庭の草でもコケ玉にすれば、立派に観賞用になるとのこと。気に入った草を見つけたら、ポットに入れて育て、コケ玉に仕立てることもあるのだそうです。おかげで、この時期どんどん伸びてくる草も、コケ玉の材料になるかもと思うと、見方も変わってきました。これからコケ玉作りにどんどんハマっていきそうです。
エバーグリーン編集部オススメサイト
- カエデ属(エバーグリーン植物図鑑)
- コケを育てるには、水と光のバランスが大事なんですね。
- コケを使ってこんな楽しみ方も!
手のひらサイズの小さな森。身近なもので作れる【苔テラリウム】はじめてみませんか??(キナリノ)
- 実に奥深い! コケにもいろいろあるんですね。
苔(コケ)の種類まとめ!栽培におすすめの品種は?(ホルティ)
(エバーグリーン編集部 まえだようこ)
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