毎日あまり良いニュースが流れない日々ですが、いかがお過ごしでしょうか。
気分が落ち込んだり、マイナス思考になったりしていませんか?
こんなときは人間界のことはちょっとあっちに置いといて、植物を見て気分転換しましょう! というわけで、白くて清々しい花「コブシとハクモクレン」の見分け方を紹介します。
コブシもモクレンもモクレン科の樹木です。日本の伝統的な暦「七十二候の中でも花の七十二候では3月6日から10日の頃を「木蓮連咲~もくれんつれさく」といい、3月11日から15日の頃を「木筆書空~こぶしそらにしょする」といいます。昔の人々はコブシの花が咲くといっせいに田植の作業を始めたことから、別名で田植桜とも呼びました。
また花の咲く向きからその年の米の収穫が豊作になるか否かを占ったともいわれています。紫色の花を咲かせるのがモクレン。モクレンよりも少し早めに開花するのが白い花のハクモクレン。そしてハクモクレンよりもひと回り小さい花がコブシです。大きな花が華やかなハクモクレンと、日本人の生活に密着して生きてきたコブシ。どちらも愛される樹木です。
コブシとハクモクレンの花はよく似ていますが、まず咲き方が違います。コブシの花が枝先で四方八方に向いて自由に咲くのに対し、ハクモクレンの花は枝先から真っ直ぐ上を向いて咲きます。まるで自由奔放なお転婆娘といつも規律正しくいようとする優等生のようです。またハクモクレンの花の付け根にはただ萼が付くだけですが、コブシの花の付け根には小さな緑色の葉っぱが必ず1枚付いています。
9月ころになると、コブシの枝先にはイモムシを大きくしたような形でピンク色の不思議な果実が付きます。この実が弾けると中から真っ赤な種子が糸を引きながら出てきます。
ハクモクレンには鱗を重ねた筆形の果実が付きます。熟すと鮮やかなオレンジ色の種子が出てきます。
モクモクと地(つち)のきほひや木蓮花 松根東洋城
大地の生命力を感じて、私たちも心を強く過ごしましょう。