チシマザクラ

サクラ属 チシマザクラ
学名： Cerasus nipponica var. kurilensis

〔基本情報〕落葉小高木。
タカネザクラの変異のうち各部に毛が多いタイプです。
幹は基部から分岐します。樹皮は暗い灰色で光沢があり、皮目が点在します。
葉は倒卵形～倒卵状楕円形で、先端は尾状にとがり、基部は左右にゆがみます。
葉の両面にふつう毛があります。
葉の縁には欠刻状で先が腺で終わる鋭い重鋸歯があります。
葉柄には開出毛が密にはえ、上部に2個の蜜腺があります。
葉の展開と同時に開花します。
花は前年枝の葉腋につく散形花序に2～3個つき、淡紅色の5弁花です。
花弁は広倒卵形～広楕円形です。花柱は無毛です。
萼筒は鐘形、萼裂片は全縁です。
萼筒・花柄・小花柄に開出毛がはえます。
果実は径7～8mmの球形で黒紫色に熟し、甘酸っぱいです。

〔栽培〕増殖は実生、挿し木、接ぎ木によります。
日当たりと水はけがよい場所を好みます。
庭植えで大木になって困る場合は、木の大きさをコントロールするため、布ポットで根が張るスペースを抑制するとよいです。
苗木のうちは株もとにワラを敷くなどして霜を防ぎます。
また、必要がなければむやみに枝を切らない方がよいです。
病虫害が多いため、注意が必要です。

〔備考〕北海道根室市での桜の開花予想に採用されています。