[スイセン、ニラ]お庭レシピ 番外編 誤食に注意!|ヒガンバナ科|エバーグリーン

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似て非なるもの…

春の足音が聞こえてくると、なぜか事故件数がアップする「誤食」。

園芸をやっている方々には少ないかも知れませんが、「お庭の●●を取ってきて」と家族にお願いしてまちがいが……なんてことも少なくないようです。

そこで今回はこれからの季節「誤食」に注意したい、スイセンニラを取り上げます。

自生するスイセン

自生するスイセン

スイセンの花

スイセンの花

 

「絶対にそんなことはない」…

「スイセンとニラだろ。絶対に見まちがうワケないよ」そう思う人、いると思います。

たしかに、スイセンの花期なら見まちがいはないでしょう。しかし、花期が終わるとスイセンに限らず多くの植物は、球根を太らせようと葉を伸ばしはじめます。そうすると、花のないスイセンは……、葉だけ見るとまるでニラです。ちなみに、ニラは生育期になるまでは葉は枯れていることも多く、スイセンが美しい花を咲かせている時期、ニラは葉を出してはいませんのでまちがえることはないでしょう。しかし、そんな季節であっても葉だけ見てニラだと思い込み事故になった場合もあるのです。

 

左:ニラ、右:スイセン

左:ニラ、右:スイセン

 

実際にあったケースです。

ある施設の職員が、自宅の畑で栽培していたスイセンの葉をニラとまちがえて施設に持ち込み調理したケース。某農産物販売所で、販売者が山でニラとスイセンをまちがえて採取し販売。購入者が調理して中毒になったケースなど、年間2~6件ほどの報告があります。

誤食事故のなかには小学校の職員が知識不足のため、スイセンの球根をタマネギと間違えて調理に使用し、生徒が中毒を起こしたという怖いケースまであるのです。

自分が採取して誤食してしまうのはともかく、人に巻き込まれるのはかなり困ったケースだといえそうです。ちなみにスイセンの有毒成分は「リコリン等のアルカロイド」。食べてから30分程度で嘔吐や下痢、悪心、発汗、頭痛などの症状が引き起こされ、致死量は約10グラムとされています。

嘔吐で大半は吐き出されるようですが、誤食が疑われたらとにかく病院にいって処置をしてもらいましょう。

 

スイセンとニラの見分け方

まちがわないためには、まずは見分け方を知ることです。

生の葉であれば匂いを嗅ぎ、ニラの独特の匂いかどうかをチェックしましょう。また、ニラと比べてスイセンの葉は大きく幅広で少し厚みがあります。庭先や家庭菜園で育てている場合には、抜いて根を見るのも一案です。スイセンは球根ですが、ニラにひげ根になっているので見分けることが可能です。

左:ニラ、右:スイセン

左:ニラ、右:スイセン

 

スイセンを自分で育てる場合には、ニラ、タマネギのそばに植えないのが一番です。

また、山などで採取する場合は先ほど述べた方法を試してみましょう。

最後に、もし中毒になった場合には、必ず中毒の原因になったと思われる食材などを持って病院に行くと同時に、中毒110番(公益財団法人・日本中毒情報センター)のサイト(http://www.j-poison-ic.or.jp/homepage.nsf)に電話番号がありますので、そこに連絡して処置の方法などを問い合わせるようにするといいでしょう。

 

(グリーンアドバイザー・開運文様研究家、産業安全保健エキスパート ふじえりこ)
写真協力:稲葉資郎

 

左:ニラ、右:スイセン