育てなければ味わえない!
「えっ? あのネギボウズって食べられるの?」と驚く人もいるかも知れませんが、開花する前のネギボウズはとても美味しくいただくことができるのです。ちなみに、このネギボウズ、薄い皮が開くとネギの花になります。花が咲くとネギはタネを付け次の世代を残す準備をスタートするので、葉は固くなり味も落ちてしまいます。美味しくネギを食べたいと思っている人にはこのネギボウズは御法度なのかも知れません。
ネギボウズで旬を楽しむ
ネギボウズは周年収穫できるワケではなく、その盛りは3月~4月。
畑にネギの花を咲かせたり、ネギボウズをつけたりするなんて「メンテナンスをしていないみたい」なんて思わないでくださいね。筆者はこのネギボウズを収穫するためにネギを育てています。
ネギボウズはスープの具材や天ぷら、炒めものなどにも適しています。
摘み取ったネギボウズを軽く洗って、食べやすい大きさに切って使います。ただ、ネギボウズには独得の苦味があるため、しっかりと火を通すことが美味しくいただくポイントになります。
ネギボウズ料理
ネギボウズの美味しい食べ方をご紹介しましょう。
摘み取ったネギボウズをひたひたの熱湯に入れ数分湯掻いたら、食べやすいネギを入れます。そこにみりんと酒を適量加え、お好みで砂糖を入れます。ネギボウズとネギによく火が通ったら、だしの素か麺つゆを適量加えてできあがりです。好みでタマゴを加えてもいいでしょう。
ネギはすごい!
ちなみに、ネギの原産地は中国西部、シベリアで、日本では奈良時代ごろから食用として栽培されました。
関東では白い部分を食べる白ネギ、関西では葉ネギが主流とされ、栄養価はビタミンA、C、カルシウム、βカロチンが知られています。
一年を通して利用することができますが、ネギの旬は冬。冷えた体を温め、疲労回復に効果があるとされています。そのため、風邪をひいたときには細かく刻んだネギとショウガに味噌を加えたものを熱湯で薄めたネギ味噌が知られています。
また、地方によってはネギの葉のヌメヌメした部分をそのまま飲んだり、喉に巻き付けたりすることで喉の炎症を抑える効果があるとして民間療法等でも使われているようです。そのほかにも、ネギのヌメヌメした部分は掃除に役立ち、キッチンのシンクやガラス、タイルなどの汚れ落としにも役立ちます。青い部分を捨ててしまう前に一度試してみるといいでしょう。
「お庭レシピ」バックナンバー
(写真・取材/グリーンアドバイザー・開運文様研究家 ふじえりこ)
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