ギンリョウソウは葉緑体を持たないツツジ科ギンリョウソウ属の多年草です。
山地の林の中の湿った腐植土に生え、日本全国及び東アジアの温帯に広く分布します。
和名は漢字で「銀竜草」と書き、別名ユウレイタケと呼ばれています。
花と鱗状の鱗片葉(りんぺんよう)に包まれた姿を竜に見立てたことや、薄暗い林の中に生えるその様子から名付けられたといわれています。
- 花期は5〜8月と長く、花は茎の先に下向きに1個付きます。
- 花冠は筒状で3〜5個の裂片からなります。
- 雄蕊(おしべ)は10個で花冠の裂片より短く、中にある雌蕊(めしべ)の柱頭はキノコ状で紫色です。
- 茎は高さ5〜20cmで、花を含め全体が白色で葉緑体がありません。
- 葉の退化した鱗片葉が互生するのも特徴の一つです。
果実は球形の液果となり、横向き又は下向きのまま熟します。秋になると茎が折れて倒れ 潰れて種をまき散らします(広がった花冠の内側の白い球が液果です)。
西沢渓谷のコ-スで渓流から少し離れた高い道添いの落葉が溜まっている箇所などでよく見かけます。白くて奇妙な形をしていますので、見付けやすいと思います。
特に旧トロッコ道がオススメで、腐植土や落葉が溜まっているところが狙いです。
(山梨市森林セラピー推進協議会 森林セラピスト / 四十物治夫(あいものはるお))
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