これからの時期、わが家の庭で、花を咲かせるあの植物は、「何という名前なのだろう……」とずっと思っていました。それが「ホトトギス」という名前だと知ったのは、SNSの投稿がきっかけでした。
ホトトギスは、ユリ科ホトトギス属の多年草です。ホトトギス属には19ほど種がありますが、そのうち10種は日本の固有種という、日本原産といってもいい植物です。「タマガワホトトギス」については、エバーグリーンポストの記事「清流や木漏れ日、森の空気・香りのなかに咲く、可憐な黄色い花」でもご紹介しています。
「ホトトギス」というと鳥の名前が浮かぶ方も多いと思います。まさに「ホトトギス」という名前になったのは、花の模様が、ホトトギス(鳥)の胸の模様と似ているからなのです。また、「ホトトギス」の別名は、「油点草(ユテンソウ)」。どうりで、葉には、油染みのような斑点が出るわけです。でも病気ではありませんから、心配はいりません。
「ホトトギス」の花の時期は7~10月。上向きに咲くタイプと釣りがね状に下向きに咲くタイプがあります。上向きタイプは地植えなどに、下向きタイプはハンギングなどで楽しめますね。
「ホトトギス」は、その多くの種類がもともと日本に自生する植物ですから、育てやすくあまり手間がかかりません。しかし、夏の暑さには弱いので、日陰の風通しの良いところで育てることをお勧めします。冬、凍結の恐れがある場合は、軒下や室内に移動(鉢植え)させる方が間違いありませんが、関東以西の平地や暖地では特に防寒対策は必要ないようです。
ちょうど花が少なくなってくる秋。ひっそりと咲くホトトギスの存在は、秋の風情にぴったりです。園芸店などで鉢植えを手に入れ、早春の2〜3月に庭に植え直してももいいですね。
- ホトトギスの花言葉:「永遠にあなたのもの」「秘めた意志」
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- いろんな”ホトトギス”
(エバーグリーン編集部 愛垣)
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