私が森林セラピーガイドを務める西沢渓谷は、標高が高い(約1,000m~1,400m)ため、同じ植物でも開花時期に差があります。
例えば、今回紹介する「タマガワホトトギス」は 標高が低い場所ではまさにこれから、そしてだんだんと標高が高いところへと、9月半ば過ぎまで見頃は続きます。
この「タマガワホトトギス」は、秋に見かける「ホトトギス」(紫色)と形状は同じですが、山地の川沿い等の水気の多い場所で夏に咲く特徴を持っています。
さて、「タマガワホトトギス」の名前の由来はいくつかあるようですが、ヤマブキと同じ黄色い花を咲かせることから、ヤマブキの古い名所である京都府井出の玉川に因んで“タマガワ”、また花びらの斑点をホトトギスの胸にある斑点になぞらえて“ホトトギス”という説が有力です。
西沢渓谷では、マイナスイオンが桁違いに豊富な[三重ノ滝]〜[七つ釜五段ノ滝]までを、森林セラピーガイドと約1時間以上かけて楽しむことができます。
「森林セラピー」では、参加しているお客様から尋ねられた場合以外は、あえて野草や樹木等の名前や説明は控えています。なぜなら、「森林セラピー」では、普段使われていない嗅覚/触覚/聴覚/味覚などを、お客様自らが気付かれるように導いているからです。
清流(流れだけではなく音や涼しさ)や木漏れ日、森の空気・香りのなかに咲く、清らかな「タマガワホトトギス」。癒やされること請け合いですよ!
(山梨市森林セラピー推進協議会 森林セラピスト / 四十物治夫(あいものはるお))
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