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  • 2017年10月16日

    [雑草]雑草を通して人生を考えさせられる 甲斐信枝さんの絵本「雑草のくらし」|エバーグリーン

    田舎暮らしをしていると、やはり草刈りは重労働です。

    年に何回か、地域の「草刈り」は義務として行いますし、庭や畑の草たちの伸びる勢いのすさまじさといったら!

    草むら同然になってしまった畑

    草むら同然になってしまった畑

     

    野菜を作るときには、種をポットにまいて、発芽させ、ある程度まで育ってから、苗を畑に植えることが多いです。

    最初、経験のない私には、この工程が無駄に感じられました。どうせ、畑に植えるのだから、何もわざわざ植え替えの手間を増やすなんて……と。

    しかし、実際に畑で種を直播きしてみたら、この工程が必要である理由がよくわかりました。

    先日、ゆずりうけた大事な白菜の種を、3分の2ほどポットに種き、残りを畑に直播きしてみました。数日後、ポットの土からも、畑の土からも小さな芽が出ていて、大喜びしていたのですが、さらに数日後、畑に行くと……ガックリすることになりました。

    ポットにまいた白菜の種が発芽した様子

    ポットにまいた白菜の種が発芽した様子

    畑にまいた白菜の種が発芽した様子

    畑にまいた白菜の種が発芽した様子

     

    雑草と白菜の芽の区別がつかない!

    数日前、小さな発芽を確認したときに、まわりの草は全部きれいに抜いたはずでした。

    にもかかわらず、もはや、雑草なのか白菜なのかわからない状態に。

    このまま草を抜かなければ、白菜は草に負けて育たないだろうし、かといって、どれが草でどれが白菜かわからない……。

    数日後、白菜と雑草の区別がつかなくなった畑

    数日後、白菜と雑草の区別がつかなくなった畑

     

    とにかく、雑草たちの勢いはすごいのです。

    もはや植物というより動物に近いとさえ感じます。

    けれど、そんな雑草が嫌いかというと、決してそんなことはなく、あっという間に畑が草むらになる様子にげんなりしながらも、その営みに心動かされる気持ちもわいてきます。

     

    雑草たちと向き合ってから、すごく印象的な絵本に出会いました。

    甲斐信枝・作 「雑草のくらし」 福音館書店

    甲斐信枝・作 「雑草のくらし」 福音館書店

     

    1985年に発行されたこの絵本は、ロングセラーとなって、今なお読み継がれています。

    何がすごいって、畑の一区画を5年間もの間、手を加えず自然のままにして、雑草たちの生態を取材して描かれた作品であるという事実。

     

    絵本には、雑草たちのドラマチックな生存競争の様子が描かれています。

    春、夏、秋と地上で激しく闘った雑草たちも、冬は全部枯れてしまう。しかし、地下では雑草たちの根っこや種がひっそり生き抜いて、芽を出すチャンスをうかがっています。

    そして、1年目に一大勢力を誇っていた草は、次の春にはもうその勢力を失い、別の草が勢いを伸ばすというのですから、まさに諸行無常。人生の浮き沈みと重なります。

     

    この絵本は、雑草たちのくらしを通して、自分がどう生きるのか示唆してくれ、これまでの人生に腹オチする感覚さえ与えてくれる1冊です。

    よく見かけるけれど、名前を知らなかった草花の生態についても知ることができますよ。

    まだ読んだことのない方は、ぜひ、読んでみてください。

     

    (田舎暮らし イシダヨウコ)


    甲斐信枝・作 「雑草のくらし」 福音館書店