こんにちは。エバーグリーン編集部の愛垣です。
先日の記事で、椿と山茶花の違いをお話ししましたが、今回は私が住んでいる熊本で品種改良された椿についてのお話です。
この椿は、「肥後六花(ひごろっか)」のひとつである「肥後椿(ひごつばき)」のこと。
江戸から明治の時代にかけて、熊本藩士とその末裔が大切に育成してきました。1829年(文政12年)の『文助筆記』といわれる江戸時代の植木に関する記録には、すでに30品種の肥後椿についての記載が見られます。現在は、熊本市市役所農政課内に「肥後椿協会」がおかれ、品種の保存を行っており、118品種の肥後椿が認定されています。また、「ヒゴカメリア」として、海外でも知られる存在となっています。
肥後椿の特徴は、花弁が5~10枚の一重の平開咲き(半八重もある)です。また、200本ほどの雄しべ(花芯)は梅芯ともいわれ、根元がわずかにくっつき、梅の花のように広がっています。花の色には、白、ピンク、赤、錦と呼ばれる絞りがあります。なかでも、最も重要視されるのは花芯で、大きく広がっているものほど良いとされているのだとか。
当時、盆栽は「武士のたしなみ」ともいわれていましたので、「肥後椿」は、庭木として植えるだけではなく、古くから盆栽に仕立てて鑑賞されてきました。今まさに見頃の「肥後椿」の盆栽は、植木市で品評会なども開催されます。
熊本城内の竹の丸というエリアでは、さまざまな品種の肥後椿を見ることもできます。私が訪れたときは、まだたくさんの蕾がついていましたから、まだまだ楽しむことができそうです。熊本城を訪れる機会があったら、ぜひ竹の丸エリアにも足を運んでみてくださいね。ちなみに、竹の丸は熊本城大天守の撮影スポットのひとつといわれていますよ。
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