[ニワトコ]平安の昔から活用されてきたニワトコ|レンプクソウ科ニワトコ属|エバーグリーン

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今回は、湿気があって日当たりのよい林縁などで多く見られる「ニワトコ」を紹介します。
レンプクソウ科ニワトコ属の落葉低木または小高木で、比較的暖かい地方の山地渓間に自生します。日本国内では、北海道から九州に分布します。

ニワトコの全景(5月下旬)

ニワトコの全景(5月下旬)

 

ニワトコの新芽や若葉の天ぷらはよく知られていますが、昔から庭などに植えられていたようで、いろいろな活用方法のある樹です。漢字で接骨木と書き、別の読み方で「せっこつぼく」、「庭常」とも呼ばれます。接骨木は平安時代の『本草和名』に記載があって、その名のとおり、枝や幹を煎じたものが骨折治療の湿布剤として用いられたそうです。葉の乾燥したものは生薬として使われます。(民間薬「ニワトコ」または「接骨木葉」)ほかにも、若葉を山菜として利用する地域があるほか、実を果実酒の材料や飾り物、また入浴剤などとしても利用されます。

ニワトコの蕾(5月上旬)

ニワトコの蕾(5月上旬)

蕾と咲き始め(5月中旬)

蕾と咲き始め(5月中旬)

 

花期は3〜5月ですが、西沢渓谷は標高が高いので5月下旬が見頃になります。写真はすべて西沢渓谷で撮ったものです。今年の枝が伸びて若葉が出てきます。その若葉が成長した後に蕾が現れ(写真2枚目)、淡い黄白色の花が咲き出します(写真3枚目)。満開の花は淡い香りがします。

満開のニワトコ(5月下旬) 満開のニワトコ(5月下旬)

満開のニワトコ(5月下旬)

満開のニワトコ(5月下旬)

ニワトコの実(7月中旬)

ニワトコの実(7月中旬)

ニワトコの実(8月上旬)

ニワトコの実(8月上旬)

 

実は大きさ3〜5mmの球形または卵形をしており、緑色の小さな粒から成長して暗赤色に熟します。

ニワトコの花は淡い芳香がありますが、葉・枝は独特の香りがします。その香りを試した人の感想は『初めて嗅いだ』『好みの香りではない』『嫌いな部類』が多かったと記憶しています。経験のない香り、臭いには拒否反応を示す人が多いようです。みなさんもニワトコの香りを一度確認してみてください。どのような感想を持たれるか興味津々です。

 

山梨市森林セラピー推進協議会 森林セラピスト / 四十物治夫(あいものはるお))


 

満開のニワトコ(5月下旬)