こんにちは。エバーグリーン編集部の愛垣です。
冬は、花が少ない季節ですが、そんななかでも私たちを楽しませてくれる椿(ツバキ)や山茶花(サザンカ)。メジロが花の蜜を吸いに来る様子を眺めて、気持ちを和ませたことのある方も少なくないでしょう。
でも、椿と山茶花の花は、とてもよく似ているので、「どっちだろう?」と迷われる方も多いようです。かくいう私もそのひとり。
椿、山茶花、どちらも日本原産で、分類上も同じツバキ科ツバキ属です。また、中国名で椿は「山茶(サンサ)」と表記するのだとか。実のところ、「山茶花」という文字は、中国で椿類一般を指すこの「山茶」からきているといわれているのですから、ややこしいことこのうえありません。
開花の時期は、椿が12月頃からに対し、山茶花は10月頃からと、山茶花のほうがちょっと早め。しかし、椿も品種によっては開花が早いものもあり、咲く時期が重なっているため、さらにわかりにくくなっているのですね。また、どちらも実から油を採って、食用や整髪料、燃料としても使われるなど、またしても共通点の多いこと。
では、違いがないのかというと、そんなことはありません。よくいわれているのは、椿は、散る時に花ごと落ちるのに対し、山茶花は花びらが1枚ずつ落ちるということ。他にも香りや雄しべの形状や葉の形、実の表面などがあげられます。とはいえ、実の表面や葉縁の形状は、品種によっても異なる部分があるといいますから、またまた悩ましいところです。
その違いをわかりやすく紹介したサイトを見つけましたので、興味のある方は、お時間のあるときにご覧くださいね。
ちなみに、よく耳にする「カメリア」という呼び名は、ツバキ科ツバキ属の総称で、椿の学名は「Camellia japonica」、山茶花の学名は「Camellia sasanqua」です。椿をヨーロッパに持ち帰ったカメルという宣教師の名前にちなんで呼ばれているのだそうです。
私が住んでいる熊本には、細川藩の下で開発され、門外不出といわれた椿と山茶花があります。こちらについては、後日改めてご紹介する予定です。
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