[ウメ]花を楽しむ 〜 梅の剪定のコツ|バラ科アンズ属|エバーグリーン

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気温はまだ低いですが、フキノトウの瑞々しい芽やフクジュソウの鮮やかな黄色い花が出てきて、春が近付いていることを感じますね。葉が落ちて寒々しい様子だった庭木も花芽や葉芽が動き出しています。

福寿草

福寿草

私は開花したロウバイウメの花の香りを胸いっぱい吸い込むと冬眠気分の頭だったのがすっきり目覚めたような気持ちになるので大好きなのですが、皆さんはいかがでしょうか。

ロウバイの香りに春を感じます

ロウバイの香りに春を感じます

蝋梅

蝋梅

 

花芽を付ける時期と場所を把握しておくのが剪定のコツ

さて、春が来ると種まき・定植・剪定など園芸作業も忙しくなります。なかでも剪定はどの枝をいつ切ればいいのか分からないとなかなか仕事が進まない作業ではないでしょうか。剪定のコツは木によって違う花芽を付ける時期と場所をそれぞれ把握しておくことです。

 

初春の花木、ウメの剪定方法は?

ウメの花芽の付く時期は7月上旬。勢いよく上に伸びる長枝よりも、その下に細かく出た小枝のような短枝の葉の腋に花芽がつきます。花を多く楽しむためには短枝を出させるための剪定を行うとよいでしょう。花芽のない長枝は12月下旬から1月にかけて枝の半分くらいの長さに切り詰めると、短枝が出やすくなります。短く剪定し過ぎるとさらに強く枝が伸びて逆に短枝が出にくくなるので、葉芽を10芽程残すのが目安です。

ウメは花後すぐに剪定すると良いと聞いたことがある方も多いと思いますが、実際には花芽が付いて葉が落ちてから剪定することをお勧めしたいのです。

剪定時期、切る場所を考えて剪定すれば美しい花を咲かせます

剪定時期、切る場所を考えて剪定すれば美しい花を咲かせます

剪定時期、切る場所を考えて剪定すれば美しい花を咲かせます

剪定時期、切る場所を考えて剪定すれば美しい花を咲かせます

ただし花芽の付く短枝も3年ほどすると花芽が付かずに枯れ落ちます。また樹全体の中で下部分に短枝が少なくなり花が上のほうにしか咲かなくなってしまいます。そこで、5年から7年を目途に、12月下旬から2月上旬にかけて主な枝自体を幹に近い部分で切り戻して、主な枝を作り替え樹形を整えるようにしましょう。強く剪定した翌年は花の数が少なく、長枝が勢いよく出ますが、その長枝を切り詰めればまた短枝が出てきます。

大きく切り詰める時には、芽の向きにも注意しましょう。樹の内側に向いている芽よりも外側に向いている芽を残すと、枝が外へ外へ伸び出すので、樹形が整います。

 

ときには勇気を持って鋏を握ろう

美しい花を咲かせるためには心を鬼にして鋏を入れることも重要

美しい花を咲かせるためには心を鬼にして鋏を入れることも重要

トサミズキモモも同じような性質で花芽が付きます。花木は咲いてくれると嬉しいものですが、その後の管理を忘れがちになります。しかし、翌年に良い花を楽しむためには定期的な管理が肝心です。せっかく伸びた枝を切るのは忍びないという方も多いとは思いますが、限られた空間で栽培するためには剪定も必要不可欠な作業です。勇気をもって鋏を握ってください。

 

渋谷区ふれあい植物センター 宮内元子

 


美しい花を咲かせるためには心を鬼にして鋏を入れることも重要