[ゲンノショウコ]“イシャイラズ”として知られる多年草|フウロソウ科フウロソウ属|エバーグリーン

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今回は、三大民間薬の一つとしても知られる「ゲンノショウコ」を紹介します。フウロ科フウロ属の多年草で、日本全国の山野や道端でふつうに見られます。

小楢山林道のゲンノショウコ

小楢山林道のゲンノショウコ

小楢山林道のゲンノショウコ

小楢山林道のゲンノショウコ

 

古くからドクダミセンブリとともに、日本の三大民間薬の一つといわれています。下痢止めとして用いられ、煎じて飲むと直ちに薬効が現れることから“現の証拠(ゲンノショウコ)”の名がついたとされています。下痢以外にも便秘や胃もたれなど優れた健胃・整腸作用があることから、ある地域では“イシャイラズ”と呼ばれています。ただし、葉の形状はトリカブトなどに似ていますので注意が必要です。咲く花でまちがいないことを確かめるようにしましょう。

日本国内にはほかにもイシャイラズと称される植物があります。江戸時代以降に渡来したとされる「アロエ」もその一つですが、ほかにもあるかもしれませんね。ゲンノショウコの花は、一般的に富士川以西は赤みを帯びた色が多く、東側では白色が多いとされています。写真の場所はいずれも富士川の東側に位置していますので、白色です。山歩きの機会に見た限りでは、山梨県内はほとんど白色だったと記憶しています。

西沢渓谷ロードのゲンノショウコ

西沢渓谷ロードのゲンノショウコ

 

花の時期は7~10月ですが、写真はすべて9月中旬に撮ったものです。花の径は1~1.5cmと小さく白色であまり目立ちません。ふつうに歩いていても気が付かない人がほとんどで、ほかの花が終わる頃ようやく目に止まるなど、注目度の低い少しかわいそうな野草です。

西沢渓谷ロードのゲンノショウコ

西沢渓谷ロードのゲンノショウコ

 

ただ、ゲンノショウコは森林セラピーにおいては利用価値の高い野草の一つです。夏以降はほかの草花が少なくなることで目に止まるようになり、自然の恵みである薬草としても話題になるからです。太古の昔、人間が森の中で暮らしていたことを含め、食べ物だけでなく薬となる植物も豊かな自然(森)の中から得ていたことをあらためて認識してもらえます。香りをはじめキレイな空気感など、必要なあらゆるものが自然・森にあることがわかります。

自然豊かな森に身を委ねることで、自然の大きさを感じ、自然に生かされていることを実感していただけると思っていますし、そうなるように心がけたいものです。

 

山梨市森林セラピー推進協議会 森林セラピスト / 四十物治夫(あいものはるお))


 

西沢渓谷ロードのゲンノショウコ