[ジュズサンゴ]陸の珊瑚粒〜ジュズサンゴ|ヤマゴボウ科ジュズサンゴ属|エバーグリーン

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すでに時期は過ぎてしまいましたが、今年も渋谷の街角ではイチョウハナミズキの葉が美しく色づいていました。紅葉を遠くに見に出かけるのもよいですが、身近な植物の変化を愛でるのもよいものです。樹木の葉ではなく、冬になれば枯れてしまう植物たちも色づきますが、その様子は「草紅葉(くさもみじ)」と呼ばれます。この季節になるとやってくる、あっという間に過ぎ去る季節と寒さが近づくにつれ心に積もる焦燥感がうまく表現されているなぁと感心しつつ、思わず口ずさむ朝倉晴美の一句、

草紅葉 かけぬけかけぬけ 一直線

赤い実が艶やかで美しい

赤い実が艶やかで美しい

 

観葉植物としても、庭植えにしても楽しめる草紅葉が美しい植物を紹介しましょう。赤い小粒の果実が房状につく様子が愛らしいジュズサンゴです。海の宝石、珊瑚は血のように赤ければ赤いほど価値が高くなるようですが、陸に実るこの珊瑚玉も艶やかな赤色はとても印象的です。

ジュズサンゴはヤマゴボウ科の植物で、原産地は北アメリカから南アメリカにかけて。次々に開花する花は白くあまり目立ちませんが、花後にどんどん結実する実が、基本は赤色ですが、白実がピンク色になるものや黄色の園芸品種もあります。

赤く色付いた葉も鑑賞できます

赤く色付いた葉も鑑賞できます

 

一年を通して青々とした葉と赤い実を鑑賞することができますが、耐陰性で少しくらい日照が足りない場所でも旺盛に広がってくれる頑張り屋さんなのでグランドカバーの植物として活躍しています。

屋外で栽培すると11月下旬から12月上旬の急激に気温が下がる時期に紅葉します。強い霜に何度もあたると枯れてしまいますが、マイナス5度くらいまでならば耐えて大きく育った根元は木質化します。15度以上の気温をキープすれば1年中楽しむことが可能です。寒さが厳しい地域では冬越しのため室内にとりこんでください。

ジュズサンゴ(エバーグリーン植物図鑑)

ジュズサンゴ(エバーグリーン植物図鑑)

 

脇芽や新芽も出やすく、切り戻しをすればコンパクトに仕立て直しもかんたんなので剪定を繰り返しながら鉢植えで楽しむのも、赤い果実がぽろぽろ零れて芽吹くのを庭植えでのびやかに楽しむのもよいでしょう。ローマ時代には御守りに使用された珊瑚に代わって、庭の守り主にジュズサンゴが居るのもいいかもしれませんね。

 

渋谷区ふれあい植物センター 宮内元子


赤い実が艶やかで美しい