[バニラ]甘い香りのバニラの正体|ラン科バニラ属|エバーグリーン

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前回のカカオに続き、バレンタインにちなんだ甘い誘惑の正体を紹介します。

ちなみにバレンタインのチョコレートは自分に自分でプレゼントする派です。あんなに美味しそうなチョコレート、誰かにあげるなんてヤダヤダ。誰かからプレゼントされるのを待ちわびているよりも、自分の好きなチョコレートを思う存分食べたほうが幸せが早く来るからご褒美とうそぶいておりますが、みなさまも毎日がんばっているご自分にぜひ!

バニラの種子の鞘

バニラの種子の鞘

 

さて、甘い誘惑の第2弾は「バニラ」とその香り。バニラエッセンス、バニラビーンズはお菓子に欠かせない存在ですが、そもそもバニラとはどんな植物かご存じの方は少ないのではないでしょうか。

バニラはランの一種です。ランというのはコチョウランシンビジウムオンシジウムといった華やかな花が特徴的なあの植物です。はい、ここで1びっくり。しかも、バニラは蔓性の植物で、長く伸びた蔓を木の幹や岩肌に張り付かせて成長します。はい、ここで2びっくり。さらにバニラの花の寿命は大変短く、大体8時間しか開花しません。はい、ここで3びっくり。

バニラの花

バニラの花

 

驚かせてばかりでは心臓に悪いので、この辺で解説を。

バニラの原産地はメキシコから中央アメリカといわれており、カカオとともに中央アメリカの文化を支えた植物です。お菓子に使われるバニラビーンズはバニラの種子のことで、15~30cmの細い鞘のなかに詰まった細かい細かい粒です。しかし収穫された鞘に香りはなく、発酵と乾燥を繰り返すキュアリングという作業で独特の甘い香りを発するようになります。バニラエッセンスは香りの成分を抽出して溶剤にとかしたものですが、バニラビーンズの鞘1本はかなり高価なので市販されている物の多くは人工的に合成された成分を使用しています。人工香料を使用しないバニラエッセンスのことを「バニラ・エキストラクト」と呼び区別することをあるほどです。

甘い香りに誘われてついつい舐めてみたくなりますが、甘いのは香りだけ。味はとっても苦いのでご注意を。

 

渋谷区ふれあい植物センター 宮内元子

バニラの種子の鞘