今回は、みちばたや河原、里山の日当たりの良い草むらなどにふつうに生える「ウマノアシガタ」を紹介します。ウマノアシガタは沖縄を含めた全国に分布するキンポウゲ科キンポウゲ属の多年草で、名前の謂(いわ)れは根出葉の形が馬の蹄(ひづめ)に似ていることからです。別名は「キンポウゲ」、こちらの呼び方のほうがなじみがあるかもしれませんね。
- 茎の高さは30〜60cmで、上部はよく分岐します。
- 中株には長い毛が生えています。
- 根出葉は数個で長さ10〜20cm、幅3〜7cmで、3個から5個に深く裂けています。
- 花の大きさは直径約2cmで、独特の光沢があります。
花期は平地では4〜6月ですが、ここ乙女湖ロード周辺は標高が高いので5月下旬〜6月下旬が見ごろになります。
次の写真は2,000mほどの高山帯に生える同属の「ミヤマキンポウゲ」です。花期が7〜8月と「ウマノアシガタ」とは異なりますが、花の大きさ、形は見分けにくいです。茎の高さがやや低いほか、根出葉の形などが少し異なります。
平地で「ウマノアシガタ」の独特な光沢を持った黄色い花が咲くと「春が来た」と感じますが、標高約1,000mほどの高地では、初夏を告げる野草になります。
写真のように群生していることが多く、風に揺れる様をボーっと眺めていると、頭が空っぽになります。また、花の外側の伏毛や葉の両面と、茎の途中から出ている長い毛などに触れてみるのも一興です。
(山梨市森林セラピー推進協議会 森林セラピスト / 四十物治夫(あいものはるお))
- 前の記事を読む(イベントレポート:第20回記念マミフラワーデザイン展2019)
- 次の記事を読む(チェルシーフラワーショー2019速報レポート 北海道・十勝からの初挑戦(2))