あなたが住んでいる街には植物園はありますか? 全国には、社団法人日本植物園協会に加盟している植物園だけでも約130園あります。国公立園、学校の付属園、私立といろいろあり特色もさまざまです。そもそも植物園って何のための場所なのでしょうか。
小学校の遠足で行く場所? 家族でピクニックに行く場所? 自然とふれあいリフレッシュしたり癒されたりする場所ならば緑多い公園で十分なのですが、植物園にはそれ以外の役割があるからこそ公園とは別に存在するのです。
※写真はすべて筆者オススメの植物園です。
植物園は世界の、日本のさまざまな植物を収集し保存しながらそれを展示し、植物学や自然科学、理科、環境などについての知識を発信する場所です。私たち生物にとって、植物はなくてはならない存在です。お腹が空いたとき食べるのは植物、家畜の餌となるのも植物、住むところを作る材料も植物、快適な衣服の材料となるのも植物、そもそも呼吸をするのに必要な酸素を作りだしているのも……植物。植物なしには生きていけない!
日本には約4,000種類の植物が生えていて、そのうちの約40%が日本にしか生えていない植物だといわれています。この地球上にどれほどの種類の植物がいるのか。それはまだまだ未知数です。さらに植物に秘められた価値は無限大です。今の私たちの生活には特に必要のない植物だとしても、今後研究が進むと何かの病気の特効薬となる成分が発見されるかもしれません。植物園には、植物の重要性を一人でも多くの人に伝え、多くの種類を未来へ繋げる使命があります。
5月4日「みどりの日」は、日本植物園協会が「植物園の日」と位置づけ、「ふるさとの植物を守ろう」というテーマで活動をする日でもあります。今年も全国の植物園でさまざまなイベントが行われました。このコラムを読んで下さっている方々は植物に少なからず関心がある方々だと思いますが、ぜひ植物園にも足を運んでみてください。ふだんご家庭で栽培されている植物たちとは違った植物の魅力に出あえるかもしれません。