[マムシグサ]斑模様から命名された毒草|サトイモ科テンナンショウ属|エバーグリーン

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今回は、山地や原野のやや湿った林縁、林床などで見かける「マムシグサ」を紹介します。

サトイモ科テンナンショウ属の多年草で、日本全国や朝鮮半島、中国東北部、千島列島に分布します。「マムシグサ」は外形の変異が著しく、ムラサキマムシグサ・アオマムシグサカントウマムシグサオオマムシグサなどといろいろな名前のマムシグサが存在します。

マムシグサ咲き始め

マムシグサ咲き始め

 

掲載した写真は、カントウマムシグサとかアオマムシグサと呼ばれているものです。紫褐色または赤紫色の斑状の棒のように見えるものは偽茎(ぎけい)で、これが葉柄や花茎よりも長いのが特徴です。この斑模様がマムシに似ていることから、この名前が付けられたといわれています。本来の茎に当たる部分は平たい円形の球茎で地下にあります。

コブラを想起させるマムシグサの背面

コブラを想起させるマムシグサの背面

仏炎苞(ぶつえんほう:大型の苞のこと)の頂部までの高さは50〜60cmに達するものもあります。葉は2個で、7〜17個の小葉が鳥足状(とりあしじょう)に付きます。

花期は4〜6月ですが、標高の高い乙女湖ロードでは5月に入ってからになります。

開花

開花

 

下の写真が花序です。仏炎苞と呼ばれる筒状の中に棒状のものが見えますが、雄蕊(or 雌蕊)の頭部の付属体です。雌雄別体で、栄養状態で雌花か雄花に分かれるようです。

花序

花序

マムシグサの実

マムシグサの実

 

上の写真は、秋に見られる実です。トウモロコシに似た形をしており、緑色から橙色・赤色に熟します(写真は、上の約2/3が赤色)。

 

私が最初にこの草を見たときはコブラを連想しました。マムシグサという名だと知って納得した次第です。マムシグサは全体が毒草なので触れないようにしましょう!特に球根の毒性が強く、その汁に触れると炎症を起こしたりします。誤って食すると、死に至る危険性があるので危険です。毒草ですが特徴の多い花なので、触れずにジックリ観察するしてみてください。

例えば、花序の写真では仏炎苞の口が開いていますが、咲き始めの写真では、開花の写真では口があまり開いていません。葉っぱが開くのと仏炎苞の口が開くのが同時期といわれています。遭遇したら、ぜひ確認してみてください。

 

山梨市森林セラピー推進協議会 森林セラピスト / 四十物治夫(あいものはるお))


 

花序