[キク]花めぐり10月号|園芸通信|エバーグリーン

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キク

秋を彩る代表的な花といえば、やはりキクが最初に思い浮かびます。この季節には日本各地でキクの品評会や展示会が開催され、職人や愛好家の方々が丹精込めて仕立てた見事なキクが目を楽しませてくれます。キクと日本人の付き合いは長く、平安時代に中国から伝わったことに始まります。江戸時代にはキク栽培が熱を帯び、数多くの品種や仕立てが誕生したといわれています。究極を求めたその技術の高さには驚きを隠せません。今回紹介した施設では、長い年月かけて日本で育まれたキクの美しさを観賞することができます。秋風が気持ちのよい季節、ぜひキクの観賞に出掛けてみてはいかがでしょうか。

 


 

文京菊まつり

美しい千輪咲き。花の大きさをそろえて同時に咲かせるのには高い技術が必要

美しい千輪咲き。花の大きさをそろえて同時に咲かせるのには高い技術が必要

東京都文京区では、四季折々の花をテーマにした「文京花の五大まつり」が催されます。その中の一つ、文京菊まつりは学問の神様として広く知られる湯島天満宮で盛大に開催されます。都内では珍しい菊人形や、崖から垂れ下がるような形に仕立てられた懸崖作り(けんがいづくり)、1株から多数の花を咲かせ1輪の花のように見せる千輪咲き(せんりんざき)など、約2000鉢が一堂に展示されます。専門家、名人、愛好家が丹精込めて仕立てた見事なキクをぜひご堪能ください。電車でのアクセスもよい立地なので、気軽に訪れることができます。

湯島天満宮の境内は、2000鉢のキクで豪華に彩られる

湯島天満宮の境内は、2000鉢のキクで豪華に彩られる

厚物(あつもの)という大菊の代表的な花形

厚物(あつもの)という大菊の代表的な花形

文京菊まつり開催中に湯島天満宮で結婚式が行われることもある

文京菊まつり開催中に湯島天満宮で結婚式が行われることもある

管物(くだもの)という、花弁が管状になって咲くユニークな花形

管物(くだもの)という、花弁が管状になって咲くユニークな花形

 

文京菊まつり 施設概要

〒113-0034
東京都文京区湯島3-30-1(湯島天満宮)
電話番号:03-3836-0753

  • 文京菊まつり:11月1日~23日
  • 開催時間:6:00~日没まで
  • 拝観料:無料
  • 駐車場:近隣に有料駐車場あり
  • サカタ友の会特典:特典なし
  • 本ページに掲載した5枚の写真提供元:東京都文京区

 

文京菊まつり

 


 

相楽園

崖から垂れ下がった形に仕立てる懸崖作り(けんがいづくり)。園内にはさまざまな仕立てのキクが展示されている

崖から垂れ下がった形に仕立てる懸崖作り(けんがいづくり)。園内にはさまざまな仕立てのキクが展示されている

神戸市中央区にある相楽園(そうらくえん)は、元神戸市長 小寺謙吉氏の先代小寺泰次郎氏の本邸に営まれた庭園です。昭和16(1941)年以降、神戸市の所有となり、中国の古書『易経』の一節にある「和悦相楽(わしてよろこびあいたのしむ)」からとって「相楽園」と名付けられ、一般に公開されるようになりました。現在は、神戸市の都市公園で唯一の日本庭園として親しまれています。同園で開催される「神戸菊花展」は、今年で67回目の開催となる神戸市の秋を代表するイベントです。大菊、懸崖作り、福助、ダルマ作り、千輪菊(せんりんぎく)など、丹精込めて育て上げられた約2500鉢のキクを堪能できます。期間中は、さまざまなイベントを開催予定です。ホームページを確認してぜひお出掛けください。

正門をくぐると都会とは思えない緑豊かな庭園が広がる

正門をくぐると都会とは思えない緑豊かな庭園が広がる

葛飾北斎も好んだといわれる「巴錦(ともえにしき)」

葛飾北斎も好んだといわれる「巴錦(ともえにしき)」

人気の糸菊(いとぎく)。カメラを構え撮影される方も多い

人気の糸菊(いとぎく)。カメラを構え撮影される方も多い

開催期間中は和菓子の販売もあるので、キクを楽しみながらゆっくりと過ごせる

開催期間中は和菓子の販売もあるので、キクを楽しみながらゆっくりと過ごせる

 

相楽園 施設概要

〒650-0004
兵庫県神戸市中央区中山手通5-3-1
電話番号:078-351-5155

  • 休園日:神戸菊花展開催中は無休、通常は毎週木曜日(祝日の場合は開園、翌日休園)、年末年始(12月29日~1月3日)は休業
  • 開園時間:9:00~17:00(入園は16:30まで)
  • 入園料:大人300円、小人(小・中学生)150円
  • 駐車場:なし
  • 神戸菊花展:10月20日~11月23日
  • サカタ友の会特典:特典なし

 

相楽園

 


 

太宰府天満宮

国土交通大臣賞を受賞した大菊。ふくよかな花弁が見事

国土交通大臣賞を受賞した大菊。ふくよかな花弁が見事

太宰府天満宮は、天神様(菅原道真公)をお祀りする全国約1万2000社の総本宮と称えられ、「学問、至誠(しせい)、厄よけの神様」として、崇敬を集めています。キクを愛でられた天神様にちなみ、キク愛好家の集い「秋芳会(しゅうほうかい)」会員の出品による展示会です。期間中は延べ40万人を超す参拝者が訪れ、見事に咲いたキクの花は見る人々の心を癒やし魅了します。また、七五三参りのご家族が、このキクを背景に記念撮影を行う姿は、この時季の風物詩ともなっています。展示されるキクの種類は、大輪をはじめ小菊の福助、懸崖作り、盆栽、スプレー菊、肥後菊、嵯峨菊、江戸菊、一文字菊などの力作、約1500鉢が御本殿前をはじめ回廊、天神ひろばなどに展示されます。なお、期間中は苗の販売も行っています。

農林水産大臣賞を受賞した懸崖作り。美しいフォルムに思わず足を止めてしまう

農林水産大臣賞を受賞した懸崖作り。美しいフォルムに思わず足を止めてしまう

文部科学大臣賞を受賞したキクの盆栽。小輪の花がかわいらしい

文部科学大臣賞を受賞したキクの盆栽。小輪の花がかわいらしい

菊花展と同時期に子どもの成長を天神様へご奉告し、健やかな成長をお祈りする「七五三祭」が行われる

菊花展と同時期に子どもの成長を天神様へご奉告し、健やかな成長をお祈りする「七五三祭」が行われる

苗売り即売会も開催され、大輪、福助、懸崖作りなどの苗の販売も行われる

苗売り即売会も開催され、大輪、福助、懸崖作りなどの苗の販売も行われる

 

太宰府天満宮 施設概要

〒818-0117
福岡県太宰府市宰府4-7-1
電話番号:092-922-8225

  • 休観日:年中無休
  • 拝観時間:6:30~19:00(月によって変動するので事前に確認が必要)
  • 拝観料:無料
  • 駐車場:有料駐車場あり
  • 菊花展:11月1日~下旬
  • サカタ友の会特典:特典なし

 

太宰府天満宮
 
 
情報提供:株式会社サカタのタネ

 

 

 

 

美しい千輪咲き。花の大きさをそろえて同時に咲かせるのには高い技術が必要