今回は、「オオバアサガラ」を紹介します。
山の谷沿いに生えるエゴノキ科アサガラ属の落葉小高木で、高さは8〜10m。本州・四国・九州に分布します。
- 若い枝はほとんど無毛で、皮は糸状に剥げるのが特徴です。
- 葉は単葉で互生します。
- 葉身は長楕円形から卵形長楕円形で、長さ10〜30cm、幅5〜10cmと大型です。先端は短く尾状に鋭く尖っており、基部は広いくさび形または円形の薄い葉です。
- 縁は微少な凸状の鋸歯状(きょしじょう)になっており、長さ5〜22mmの柄が付いています
- 写真のように葉表面は緑色、裏面は灰白緑色で微細な毛が生えています。
ル-ペで確認すると星の形に見える星状毛だとわかります。葉脈は8〜12対あり、盛り上がっています。
6月頃に花が咲きますが、下に垂れ下がる長い円錐状の花序に多数付きます。上の写真は花が開く前のものですがその様子がよくわかります。
花柄はごく短く見分けが難しいです(次の下の写真:花が開く前のもので柄が確認できます)。
花弁は5枚あり長楕円形で白色です。長さは6〜7mmでそれぞれ1枚1枚分離して(基部部分から離れて)います。雄蕊(おしべ)は10本で花冠よりも長く、花糸は基部までほぼ離れており内側に長い毛があります。花柱は雄蕊よりも長く、先端部を除いて長毛が付いています。
オオバアサガラは森林セラピ-で用いることの多い樹木の一つです。花が目立ちますが香りも楽しめます。若い枝から独特の香りがしますので、葉の表裏の手触りと併せて一度試してみてください。
(山梨市森林セラピー推進協議会 森林セラピスト / 四十物治夫(あいものはるお))
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