[クロモジ]和菓子の美味さを引き立てる香り|クスノキ科クロモジ属|エバーグリーン

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今回紹介するのは「クロモジ」です。この名前、どこかで聞いたことありませんか?

和菓子に添えられているちょっと立派な爪楊枝として使われている、あれです。

クスノキ科クロモジ属を代表する落葉低木で、4月頃に花を咲かせます。本州(関東以西)に分布しています。

同種の全体に大型で葉っぱは一回り大きくなる「オオバクロモジ」は、北海道渡島半島~東北地方、日本海側の山地に多く見られます。関東地方では両方が混在して見分けにくくなっています。なんといっても「クロモジ」の特徴は、爽やかな香りでしょう!

クロモジ

クロモジ

 

下の写真のように、茎の頂部に10~15mmの芽を付け、その基部に淡黄色の花が散らばるように咲きます。その花片(かへん)の根元は、やや半透明で黄緑色、萼(がく)と花冠が長さ2~3mmの花被(かひ)で守られています。

クロモジ花部

クロモジ花部

クロモジの葉

クロモジの葉

 

葉っぱは成長すると、倒卵(とうらん)状長楕円形で長さ5~10cm/幅1.5~3.5cmになります(葉の柄も長く、10~15mm程度)。果実は球形で径が5~6mm程度、秋には黒く熟します。

開花前の蕾

開花前の蕾

 

開花寸前の状態で、丸い球状のものが目立ち始めます。

この数ヶ月前の状態が次の写真です。

 

さらに前の蕾

さらに前の蕾

 

「クロモジ」は高級和菓子に添えられることで知られていますが、人が歩いて旅をした昔から、峠道で疲れた時などに枝を取って噛んだり匂いを嗅いで元気をもらっていたそうです。薬用植物の一つでもあり、胃腸病に含有(根皮を使用)されています。

 

私が案内する森林セラピ-のお客様からは「爽やかな良い香り」「この香り好き」「どこかで嗅いだことがある」と、うれしい言葉をいただいています。

「クロモジ」は里山を含めた山地の特に日当たりの良い斜面を好みますので、可憐な花だけでなく、ぜひ香りも体験してみてください。

 

西沢渓谷には「クロモジ」は多くないですが、日当たりの良い斜面を香りに集中しながら散策すると発見できるかも知れません。国立公園なので樹木野草の採取はできませんが、漂う香りを嗅いで楽しんでください。普段使わない嗅覚を刺激すると癒し効果が更に高められるそうです。樹木や草花を眺めながらじっくりと時間をかけて歩くことでリラックス効果が高まります。ご自分のペ-スでお過ごしになられることをお勧めします。

 

山梨市森林セラピー推進協議会 森林セラピスト / 四十物治夫(あいものはるお))

さらに前の蕾