日本各地には、神社やお寺をはじめ場所によってはシンボルツリーとして、願いを叶えてくれる、パワーがもらえるとされているご神木と呼ばれる木が数多く存在しています。
これは、運気、邪気、勇気、弱気、強気などの“気”と“木(樹)”を掛ける語呂合わせだったり、願いを叶える力もあると信じられているからでしょう。そこで、今回は神奈川県にある八方除けで知られる寒川(さむかわ)神社からご神木などを紹介します。
寒川神社は源頼朝、武田信玄も参拝!
寒川神社は約千六百年の歴史を持ち、御祭神は寒川比古命(さむかわひこのみこと)と寒川比女命(さむかわひめのみこと)。関東地方文化の生みの親神様とされています。また、神社の方角から八方除・方位除の神様としても信仰されている神社です。
ちなみにこの方除け(かたよけ)は、地相や家相、方位などに起因するすべての禍事(まがごと)や災難を取り除くことができるとされることから、方除けは未来を照らす人生の羅針盤ともされています。そのため、あの源頼朝、武田信玄、徳川家代々とも所縁(しょえん)がある場所です。
筆者はグリーンアドバイザーや園芸研究家のかたわら占い師をしていることもあり、実は寒川神社とのご縁は二十年以上になります。しかし、ご神木を訪ねたのは今回が初めて。神社のかたに伺うと、境内から見える場所にある二本の大きなスギがご神木でした。筆者はスギの木が一本ではなく二本なのは、おふたりの御祭神とも関係があるようにも思えてなりませんでした。
記念樹のクロマツ
寒川神社の境内に向かう参道には、即位の記念樹としてクロマツとナギがあります。この理由は、クロマツは松の中でも樹齢が長く、寒い冬でも緑を絶やさないことから縁起の良い木とされているからです。また、そのすぐかたわらに植えられているナギは、日本では昔から神が宿るとされ、袋に入れておけば災難除けになるとされています。そんな縁起のよい木を境内で探すことができました。
季節よって入ることができる神苑「神嶽山(かんたけやま)」
3月上旬~12月上旬(毎週月曜日は休苑/祝祭日は開苑)の神嶽山の杜が神苑として整備され、御祈祷を受けると入ることができます。神苑内は、寒川神社の起源に関わりがあると伝えられている難波の小池を中心とした池泉(ちせん)回遊式の日本庭園。四季折々の花が目を楽しませてくれる場所になっています。茶屋や資料館も併設されているのでゆったりとした時間を過ごすことができます。
- 『寒川神社』への行き方:JR相模線「宮山」駅より徒歩5分
(写真・取材/グリーンアドバイザー・開運文様研究家 ふじえりこ)
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