春先から秋にかけて、川岸の土手や道端に見られる赤紫の花。九州・熊本のわが家の周りでもたくさん見かけます。……と、この原稿を書くまでは、この花はアザミだとすっかり思い込んでいました。しかし実際には、アザミという名前は、キク科アザミ属の植物の総称なのだそうです。つまり「アザミ」という名前の花はないということ? あわてて、撮った写真を専門家に見ていただきました。
まず1枚目の写真は、「キツネアザミ」。アザミと似ているのでその名前が付いていますが、キク科キツネアザミ属の別の植物でした。
他にも、チョウセンアザミ(アーティチョーク:キク科チョウセンアザミ属)やルリタマアザミなども、同じキク科で、属が違う植物です。
こちらの写真は「ノアザミ」。
今回、国立科学博物館のWebサイトの「日本のアザミ」に関する「標本・資料データベース」には、‘日本列島には150種を越えるアザミたちが生きています。そのうちタカアザミなど5種はアジア大陸と共通した種類ですが、残りの145種以上が日本の特産種です’という表記があります。
そのなかから、名前を特定するのはなかなか難しいですが、春先から初夏にかけて人が住んでいる場所で見かけるアザミ属の多くはノアザミだということです。今まで私が「アザミ」と思っていた植物もノアザミだったのかもしれませんね。
ふだんから、野山に咲く花の写真を撮っていますが、名前を特定するのは難しいなぁと改めて感じています。しかし、図鑑や専門家の力を借りながら、ひとつずつ名前を確かめるのも楽しい作業です。エバーグリーンの植物Q&Aに写真を投稿すれば、専門家に名前を教えてもらうこともできますから、上手に利用していただきたいなと思います。特に、野草の場合は咲いている場所も大きなヒントになるそうですので、写真を撮った場所も書き添えてくださいね。
◆アザミの花言葉:「独立」「報復」「厳格」「触れないで」
エバーグリーン編集部オススメサイト
- 返信した人を助けるため、アザミで衣を編むという共通点が!
- 敵は、アブラムシとうどんこ病
- 育て方の基本は同じ!
(エバーグリーン編集部 愛垣)
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