花が一斉に咲きはじめ、視界がカラフルに彩られる春。今回は、花壇などできっとご覧になったことがあるはずの花のひとつつ、アネモネをご紹介しましょう。
アネモネは、ヨーロッパ南部から地中海地方が原産。クリスマスローズやクレマチス、ラナンキュラスと同じキンポウゲ科で、古くから人との関わりが深い植物です。
アネモネというと、赤や青、紫、ピンク、白などを思い浮かべられるかもしれませんが、実はこの色あざやかな部分は、実はガクなのです。では、花びらは? というと、驚くことに花びらはありません。華やかなガクがあるので花びらがないのか、花びらがないのでガクが華やかになったのかはわかりませんが、かなり珍しい植物といえるかもしれません。
さて、地中海地方というとギリシャ神話を思い浮かべられる方も多いでしょうね。アネモネもギリシャ神話に登場します。
そのなかのひとつに、美の女神アフロディテの恋人だったアドニスの物語があります(物語によって細かな点で多少違いがあるようですが)。狩に夢中だったアドニスは、アフォロディテの忠告を無視し、ある狩の最中にイノシシの牙に突かれて死んでしまいます。その際、流れ出たアドニスの血からアネモネは誕生した……というものです。華やかで花束などにもしやすいアネモネの花言葉が、意外なほど寂しげなものが多いのも、誕生神話の悲しい出来事が関係しているのでしょうか。
見慣れた花にも、いろいろな話が隠されているものです。アネモネは球根や種どちらでも育てることができますし、苗を園芸店で購入し育てることもできます。慣れれば、毎年楽しむことができるようです。まだアネモネを育てたことがないという方も、挑戦してみてはいかがでしょうか。
- アネモネの花言葉:「はかない恋」「恋の苦しみ」「見捨てられた」「見放された」
- 色の違いによる花言葉
- 赤:「君を愛す」
- 白:「真実」「期待」「希望」
- 紫:「あなたを信じて待つ
エバーグリーン編集部オススメサイト
- ポイントを抑えれば、毎年楽しめますよ。
- いろいろな花が楽しめる♪
- アネモネの生産量日本一はここ!
(エバーグリーン編集部 愛垣)
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