「赤い実」「お赤飯」「福寿草といっしょに植える」「玄関付近に」「トイレの近くにも」この条件全てに関係のある植物といえば何でしょうか。
答えは「ナンテン(南天)」です。
ナンテンは、メギ科ナンテン属で中国原産の常緑低木。かなり古い時代に渡来したと考えられており、西日本、四国、九州に自生しています。
発音から「難転」(難を転じる)」と、縁起物として愛されています。さらに、福寿草とともに植えると「難を転じて福となす」といわれているために、特にお正月には特に喜ばれる縁起物です。
私たちの生活のなかでもナンテンは用いられています。例えば、赤飯に添えられているのをよく目にしますよね。これも縁起を担いでのことでしょうが、同時に、赤飯の腐敗を防ぐ役割もあるのです。京都薬用植物園(武田薬品工業)のWEBサイトでは、“赤飯などの上にナンテンの葉をのせる風習は、葉に含まれるナンジニン(アルカロイド)が分解されて殺菌・防腐効果を期待して利用されます”と説明がありました。
またときどきトイレの近くに植えられているナンテンを目にすることがありますが、昔の人は「南天手水(なんてんちょうず)」といい、殺菌力のある葉で手を清めていたのだそうです。
赤飯にナンテンの葉を入れることといい、手洗いの殺菌消毒に利用することといい、生活のなかからその効能を発見した昔の人の知恵には、本当に驚かされますね。
ナンテンは、耐寒性もあり、庭に植えれば水やり不要な育てやすい植物です。挿し木でもタネでも増やすことができるので、縁起良いといわれるナンテンをぜひお庭に植えてみてはいかがですか。
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咳止めだけじゃない!万能植物、“南天”のチカラ(ジブンゴト/常磐薬品株式会社)
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(エバーグリーン編集部 愛垣)
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