秋になると、庭の片隅に急にわがもの顔でニョキニョキと伸びてくる植物があります。それは、アメジストセージ。冬から春の間は枯れていて地上にその姿はありませんが、春になって地下茎から新芽を出し始めたかと思うとぐんぐん伸びて、あっという間に大きな株に。今の時期になると、美しい穂をユラユラ揺らして存在感をアピールしています。
アメジストセージは、公園などによく植えられている真っ赤なサルビアと同じ仲間で、サルビア・レウカンサとも言います。ほかにも、メキシカンブッシュセージ、ベルベットセージなど、原産国や穂の質感に由来した別名もあります。
宝石のアメジストさながらの鮮やかな紫色の部分は、花ではなくガク。ふわふわしてベルベットのような柔らかい触り心地です。このガクから紫や白の花びらを突き出すように花を咲かせます。スパイスに使われるセージと同じ仲間だけあって、葉に触れると特有のさわやかな香りが漂います。
アメジストセージは、花が咲く時期には1メートル以上の高さまで育ちます。丈夫で病害虫の被害も少ないため、育てやすいのが魅力。寒くなる時期まで散らないので長期間、そして一度植えたら毎年楽しめます。ただし、株が大きく育つと広がりすぎるのがちょっと難点。鉢植えにして、7月頃までに一度切り戻しておくと、コンパクトに仕立てることができます。
セージには、ほかにも濃い紫のメドーセージ、かわいい赤のチェリーセージ、燃えるような赤のパイナップルセージなど多くの観賞用の品種があります。どれも色に深みがあり、濃い緑の葉の色と相まって、秋の庭に風情を感じさせてくれますよ。
わがやのアメジストセージのしなやかに風に揺れる紫の穂。秋の庭を華やかに彩ってくれています。
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