[エキナケア]北米先住民のハーブ|キク科ムラサキバレンギク属|エバーグリーン

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今年も暑さが厳しいですね。暑さが増すと、植物が主に葉の裏から水分を大気中に水蒸気として放出する「蒸散」が盛んになります。たっぷりと潅水したつもりでも、気がつくと葉が焼けていたり一気に調子が悪くなったりすることがあるので、朝晩のお水やりは土だけではなく、葉の表と裏にもしっかり葉水を与えましょう。直射日光を嫌う植物の上に日除けをかけてやるのもよいでしょう。さて、夏バテや熱中症が心配な季節になりましたが、その夏を彩るハーブを紹介したいと思います。

夏空に映えます

夏空に映えます

 

エキナセアは花壇にテルテル坊主が並んだような風景になるキク科の宿根草で、北米が原産です。その中でもEchinacea purpureaはムラサキバレンギクという和名がついています。いがぐりのような頭状花が突き出し、花弁のようにいがぐりの周囲を取り巻く舌状花が少しだけ下向きに付くために、花壇を遠目に眺めるとテルテル坊主に串をさして地面に立てたように見えるのです。

ムラサキバレンギクなどエキナセアの数種を原産地の北米では先住民族の間で薬草として重用していて「インディアンのハーブ」と呼ばれました。現代でも欧米では絶大な人気を誇るハーブでサプリメントやチンキに活躍しています。ハーブティーとして飲まれるほか傷や炎症に用いられたりもしますが、一部の方には経口摂取でアナフィラキシーやアレルギー反応が起こる可能性がありますのでご注意ください。

横から見ると頭が尖っています

横から見ると頭が尖っています

 

薬用に用いなくても夏の間じゅう開花するうえに、最近一気に品種が増えて赤・ピンク・オレンジ・黄色・白・緑色と花色のバリエーションが豊富なこともうれしい植物です。さらに、草丈がコンパクトで花壇のなかで組み合わせやすい品種や背景に映える大型のものもあります。

ありがたいのは、栽培の手間がかからないこと。冬季は枯れた地上部を刈り取り、土が深く凍らないように敷き藁でも敷けば翌年には元気に芽吹いてきます。日当たりの良い場所と水はけのよい土壌を好みます。花後にはいがぐり状の部分をドライフラワーにすることもできますので、切り花としても長く楽しめます。

花色もさまざま

花色もさまざま

 

水戸市植物公園 宮内元子)


夏空に映えます