高山の草原や砂礫地などで、春から初夏に見られる「オヤマノエンドウ」を紹介します。マメ科オヤマノエンドウ属の小型の多年草で、本州中部地方の高山に分布します。
高山の草原では、他のさまざまな野草とともに見事なお花畑を形成することが多いです。そのなかでもひときわ目を惹くのが、このオヤマノエンドウです。
この写真のように葉が根元に多く生えます。高さ約10cmの茎は木化するので、半低木になります。小葉は長さ5〜10mm、幅2〜4mmの狭卵形で9〜15枚ほどつきます。花期は6〜8月ですが、八ヶ岳の日当たりのよい場所では6月上旬から見られます。花は紅紫色で1〜5cmの花茎の先に1、2個つきます。花弁は長さ17〜20mmで、旗弁はほかの弁よりもかなり大きくその基部に白い斑紋がついています。
高山の厳しい環境に生きるため、葉の両面と托葉や萼裂片などには軟毛が生えています。優しく触れると葉と花の部分の感触の違いの著しさがわかります。見るだけでなく香りを嗅ぐこと、触れてみることで新しい発見があるかもしれません。そうすることで「もう少し頑張ろう!」という気分になれたらラッキーですね!
(山梨市森林セラピー推進協議会 森林セラピスト / 四十物治夫(あいものはるお))