キバナシャクナゲはツツジ科ツツジ属の常緑低木で、本州中部から北海道の高山帯~亜高山帯に分布し、周りには風除けとなるほかの樹木などがない厳しい環境に自生します(本州では標高2,500m付近)。
私が出あった「キバナシャクナゲ」は風が強く冬期の多量の積雪という厳しい環境で、樹高50cmにも満たなかったと思います。ゴツゴツした岩陰とか低いハイマツの傍とか、「よくこのような場所で生育できるなあ!」と感心させられます。
花は写真のようにきれいで目立ちます。花柄には短い縮れ毛が密生し、花冠にも短毛が散生します。一方、若枝は滑らかで、葉は革質で葉柄は無毛です(越冬対策だと思われます)。
ツツジの仲間なので香りは強くなく嗅覚に敏感な人でないと認識しずらいかも知れませんが、触角は変っていておもしろいと思います。キバナシャクナゲの花期は6~7月と梅雨の時期と重なりますが、梅雨の晴れ間でこのキバナシャクナゲに出あえたら、ぜひゆっくりと観察してみてください。
(山梨市森林セラピー推進協議会 森林セラピスト / 四十物治夫(あいものはるお))
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