[オランダガラシ]オランダガラシはあの野菜|アブラナ科オランダガラシ属|エバーグリーン

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水流の中に生えるオランダガラシ

水流の中に生えるオランダガラシ

 

近所の川や用水路を覆い尽くすかのごとく繁茂する水草的なザッソウ、それがオランダガラシです。湿地や水辺、水中などに生え、水の流れがある場所を好みます。さほどキレイとは思えない水路で見ることもあるので、水質にあまり関係なく育つようです。

「オランダ」は国そのものを指すのではなく、「外国産の」という意味です。オランダイチゴ(みなさんが食べている一般的なイチゴ)やオランダゼリ(パセリ)、オランダアヤメ(ダッチアイリス)など、外国から入ってきたもので「オランダ○○」と付く例はいろいろあります。「ガラシ」は「カラシ(芥子)」のことで、茎葉をかじるとピリッとした刺激的な辛味があるからです。

繁殖力が強く水路を覆うほどに茂ります

繁殖力が強く水路を覆うほどに茂ります

 

ヨーロッパ原産で、日本に入ってきたのは明治初期です。軽井沢で外国人向けに野菜として栽培されていたものが野生化し、全国に広がっていったとされています。茎は中空で、節節から根を出して大きく茂ります。繁殖力は旺盛で、短くちぎれた茎も根を出して新しい株となります。主な開花期は4月から6月で白い小さな花をたくさん咲かせ、満開の時期はなかなか見事です。4枚の花びらが十字形に並ぶ典型的なアブラナ科の花姿をしています。

オランダガラシの花

オランダガラシの花

 

オランダガラシといわれてもピンと来ないかもしれません。では、クレソンと呼んだらどうでしょう?  肉料理のつけ合わせやサラダなどに利用され、よく知られているけれども食卓にのぼるほど馴染みはない不思議な存在の野菜、クレソン。そうなんです! オランダガラシはクレソンのことです。

個人的には、カッティングボードにのせられたローストビーフの塊に添えられている青物(あおもの)、のイメージがあります。料理レシピを検索すると、さまざまなサラダやおひたしなども出てくるので、実際は用途の広い野菜なのだと思います。

スーパーで売られているクレソン

スーパーで売られているクレソン

 

同じアブラナ科で別属ですが、近い仲間にタネツケバナ類(タネツケバナオオバタネツケバナなど)があります。主に花と葉の形、生育環境(水の流れる場所を好む)などが似ています。タネツケバナ類はたくさんの種 -しゅ- があり、すべてを区別するのはなかなか難しいです。オランダガラシほど爆発的に群生せず、どちらかというと山間部や里山に生えているものが多い気がします。

オオバタネツケバナ

オオバタネツケバナ

 

以上、オランダガラシはクレソンだったというお話しでした。

 

ヤサシイエンゲイ 小林昭二)

 

オランダガラシの花