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2020年12月7日

[原種シクラメン]葉っぱを楽しむ原種シクラメン|サクラソウ科シクラメン属|エバーグリーン

秋ーー! どこ行ったああぁぁぁぁぁ! 迷子ですか? つい先日、来たかなって思ったのに存在を楽しむ暇もないうちに不在になりましたね。日本の四季はどこへ行ってしまうのでしょうか……。秋には秋の植物を、冬には冬の植物をしっかり楽しみたいものですね。

さて、秋から冬の訪れを感じる植物の一つにシクラメンがあります。贈答用の大きな株や、寒さに比較的強いガーデンシクラメンもよいですが、今回は原種のシクラメンを紹介します。

シクラメンはもともと地中海沿岸部のギリシャからチュニジアにかけてが原産の、乾燥に強い球根植物です。日本では戦後、品種改良が進められて大きな花や鮮やかな色の園芸品種が多く誕生しました。原種シクラメンと呼ばれるシクラメン・コウムシクラメン・ヘデリホリウムといった品種は、園芸品種に比べて花も小さく、白色や淡い桃色の花で楚々としています。原種の特徴は種子がつきやすいことです。

シクラメンの学名はギリシャ語で螺旋や円を意味するキクロスから名づけられました。花後、花茎がくるくると時計のゼンマイのように螺旋状に丸まるからです(数種は花茎が垂れ下がるのみです)。この螺旋の先に種子がつきます。種子は甘い物質で覆われていて、アリが好んで巣に持ち帰ります。ですから、原種シクラメンを庭に植えておくと、思わぬ場所からひょっこりと芽生えることがあるのです。

また、原種シクラメンは花が小さいですが葉に特徴がありおもしろいんです。白い模様が多く入ったもの、黄色っぽいもの、ハート型のもの、尖った矢尻型のものなどさまざまで、冬枯れして寂しくなった木陰を葉が彩ってくれます。さらに、うまく付き合うと一つの球根が40年も生きるので巨大な球根を育てる楽しみもあります。

シクラメンの球根 毎年だんだん大きくなります

シクラメンの球根 毎年だんだん大きくなります

 

夏の暑さには弱いですが、完全に葉を落とし地面の下で休眠してしまうので、日当たりの弱い木の根元などに植えこんでおくとよいでしょう。最近は、ガーデンショップで普通のシクラメンとは別に、原種シクラメンが並ぶのを目にする機会も増えました。長く付き合う相手として「原種シクラメン」はいかがでしょうか。

 

渋谷区ふれあい植物センター 宮内元子

シクラメンの球根 毎年だんだん大きくなります