[カラマツ]カラマツと森林セラピ-|マツ科カラマツ属|エバーグリーン

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今回は、森林セラピ-で利用される頻度の高い「カラマツ」を紹介します。

マツ科カラマツ属の落葉高木で、幹は高さ約30m、径は1mに達します。宮城県、新潟県以南から中部山岳地帯の日当たりの良い山地に自生しますが、各地で造林されており、自生か植林かの区別は難しいとされています。冬、マイナス30℃以下になる北海道にも植林されており、都市の公園でもよく見られます。

カラマツ林:大菩薩嶺唐松尾根(6月中旬)

カラマツ林:大菩薩嶺唐松尾根(6月中旬)

 

芽吹き(木楢山4月下旬)

芽吹き(木楢山4月下旬)

春の訪れと共に新芽が吹き出し、2枚目の写真のように今年の葉が広がるように伸びます。3枚目の写真が成長した状態で、葉は長さ2〜3cm、幅1~2mmの線形です。

成長葉(乾徳山7月上旬)

成長葉(乾徳山7月上旬)

 

葉が伸び始めるとほのかな香りを発生させ、新緑の6月になると遠くからでも香りが確認できるようになります。揮発性香り成分(フィトンチッド)は「ヒノキ」の1/10以下ですが、葉っぱを使って直接嗅ぐと、「なんとも言えない優しい香り!」「これ、好き!」という感想が多いです。それに加えて、この時期の葉はとても柔らかく手触りが良いので、触れた瞬間に「なにこれ! 嘘みたいに柔らかく気持ちいい」「ホッとする」と驚きの声が上がります。

黄葉:乾徳山扇平

黄葉:乾徳山扇平

 

このカラマツの香りと枝葉の手触りで、本来持っている五感が一気によみがえる方を大勢見ています。強い風が吹いた後のカラマツ林の足下には、カラマツの枝や葉っぱが落ちていることが多いので、みなさんも機会があれば試してみてはいかがでしょう?

夏以降は徐々に香り成分が少なくなりますが、折れ落ちた枝葉にも香りが残っています。秋には黄葉して葉は落ちますが、ハラハラ舞い落ちる葉(雪のように降ってくる時も)の様子や葉の音、揺らぎに、癒し効果が増したと感じられる人がほとんどです。

黄葉:乾徳山(11月上旬)

黄葉:乾徳山(11月上旬)

 

カラマツの樹肌は厚みがあるためか温かみが感じられるようで、寒い季節に触れると「温かい! ホッとする!」とおっしゃる方が多くいます。また、幹の頂部を見上げると、木立の先がゆったり揺れているのがわかります。これも揺らぎです。その上の空に雲が流れていれば、更なる揺らぎが付加されます。

カラマツは食べるところはありませんが、残りの五感(視覚・聴覚・触覚・嗅覚)を存分に刺激してくれます。からだ全体で自然や森のリズムとともにカラマツと向き合ってみてください。今までと違った自然や森を感じたり、新しい自分が発見できるかもしれません!

 

山梨市森林セラピー推進協議会 森林セラピスト / 四十物治夫(あいものはるお))


 

カラマツ林:大菩薩嶺唐松尾根(6月中旬)