[タラヨウ]古今東西 ご神木巡礼 番外編〜行元寺(ぎょうがんじ)の手紙の木|モチノキ科モチノキ属|エバーグリーン

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今回は訪ねたお寺でちょっと変わった木をみつけたので、それを紹介します。

行元寺で見つけた手紙の木、その名は?

今では紙がなくても、パソコンやスマートフォンなどを使って文章のやりとりができますが、紙がなくては「手紙」として送ることも受け取ることもできません。

ここ行元寺で「手紙の木」と呼ばれる木の名前は「タラヨウ」(モチノキ科)。別名ジカキバ、ジカキシバ、エカキシバなどとも呼ばれます。

手紙の木

手紙の木

 

タラヨウは漢字で『多羅葉』

ちなみにタラヨウは、漢字では多羅葉と書き、ハガキの語源になったとされています。郵便局などでも最近はカタカナで「ハガキ」と表記されていることもあり、漢字で 『葉書』であったことを忘れがちですよね。ハガキのルーツは、このタラヨウの葉に文字を書いたことに由来しているので、読んで字のごとし「葉に書く」が転じて『葉書』になったとされています。

葉っぱに文字を書いてもすぐに消えてしまいそうですが、タラヨウ葉には文字が黒く残る成分があるため消えにくいのだそうです。そのため参拝者たちの願いや経文を書き写したり、炙ることで吉凶を確かめることもできるとして、川越氷川神社(埼玉県)や鹽竈神社(しおがまじんじゃ:宮城県)など多くの寺社の境内で目にすることができるのです。

また、ハガキと関係があることから東京中央郵便局の敷地内などに植樹されているだけでなく、郵便局の木として実際に宛先を書いて定型外の切手を貼れば郵送することもできます。参考:「きこりんの森」https://kikorin.jp/contents/library/history/000193.html

 

行元寺について

東頭山無量寿院「行元寺」は、僧侶円仁により嘉祥2年(849年)に創建。天正14年(1586年)に現在地へ遷されたと伝えられ、阿弥陀如来を御本尊とする天台宗の寺院のひとつ。見どころはあの北斎に影響を与えたとされる、千葉県鴨川市出身の初代波の伊八こと、武志伊八郎信由の『波に宝珠』をはじめ数々の芸術作品を見ることができるお寺としても知られています。

行元寺

行元寺

 

この行元寺だけではなく、行元寺があるいすみ市には北斎と関係があるとされる波の伊八の手による作品を数多くみることができる場所です。ちなみに、北斎といえば映画『HOKUSAI』。主演は柳楽優弥さんと田中泯さんのふたり。筆者はこちらのほうにもワクワクしています。

 

エバーグリーン編集部オススメサイト

 

  • 『行元寺』:千葉県いすみ市荻原2136

 

(グリーンアドバイザー、開運植物文様研究家 藤依里子)

手紙の木