10月、多摩川の河川敷に、黄色い絨毯が広がっていました。マンジュシャゲの赤色の花と対比してきれいだったので近づいてみたら、キクイモの花でした。
キクイモは北アメリカ原産の植物で、日本には江戸時代末期に飼料用作物として渡来し、第二次世界大戦中には食用や加工用にと活躍しましたが、繁殖力が強すぎて、現在では外来生物法で要注意外来生物に指定されています。
今となっては厄介者扱いにされてしまったキクイモ。しかし土を掘り返し芋を掘り起こして1本残らず駆逐するわけにもいかず、河川敷などでは増える一方のようです。あえて育てはしないけれど、何かの役に立てて減らすことはできないかな? と愛らしい花を眺めながら考えた結果、食べてみることにしました! 名前の由来である芋のような根の部分は食用としてメジャーですが、今回は葉を活用したレシピを紹介します。
〜キクイモの葉のオムレツ〜
【材料】
- キクイモの若い葉:10枚程度
- 卵:2個
- ハム:1枚
- 塩:1つまみ
【手順】
- キクイモの葉を5分ほど茹でる
- 茹でた葉を水で洗い、軽く絞って水気を落とす
- 葉とハムを5mm程度の細さに刻む
- フライパンを熱し、キクイモの葉を炒めて水気を飛ばす。途中で塩を一つまみ加えて炒める。
- ハムと溶き卵を入れてまとめながら全体に火を通せば完成
キクイモの葉は、しっかり茹でると三つ葉のような風味のある歯ごたえがしっかりある野菜になりました。今回は塩で味付けしましたが、ケチャップなどでも違和感なく味わえると思います。
人間の移動や物流が盛んになり、様々な生物が行きかい地域に根付くことで望まれない存在になってしまい問題視されることが増えています。日本が原産のイタドリが海外で猛威を振るい問題になっていたりもします。植物自体には悪意はなく、ただただ生き延びようとしているのに、人間の都合でもてはやされたり敵視されたりするのは気の毒ですね。固有の生態系を守るために刈りとって処分する必要もありますが、少しだけでも活用できたらいいなと思いませんか。