今回は「トウヤクリンドウ」を紹介します。リンドウ科リンドウ属の多年草で、高山の砂礫地などに生えます。北岳では稜線などでよく見かけます。
茎の高さは10〜20cmで、茎葉は長さ2〜5cm、数組対生します。
花期は8月〜9月中旬で、茎の頂部に数個の花が付きます。花冠は長さ3.5〜4cmの淡黄色の筒状をしており、写真のような淡緑色の斑点が付きます。下の写真は陽を浴びて開いていますがこれ以上には開きません。なお、曇っていると閉じたままで開かないことが多いです。
本州中部以北から北海道にかけて分布しますが、私が「トウヤクリンドウ」を初めて見たのは、御嶽山です。「これは何?」とかなりのインンパクトがあったことを思い出します。
山小屋に貼ってあった写真で名前がわかりましたが、後で調べて、日本三大生薬の一つである「センブリ」の生薬名を当薬(トウヤク)といい、この「トウヤクリンドウ(当薬竜胆)」が健胃薬で使われるのでこの名前が付いたとわかりました。ほかにも、仲間の「リンドウ」「エゾリンドウ」なども薬として使われるようです。
(山梨市森林セラピー推進協議会 森林セラピスト / 四十物治夫(あいものはるお))
- 前の記事を読む(高い崖に直立に生えるタカネビランジ)
- 次の記事を読む(お庭レシピ 第22回 庭先のミョウガ)