高山の岩上や砂礫地に生息する、日本固有種の「イワインチン」を紹介します。キク科キク属の多年草で、河原ヨモギの生薬名は茵蔯蒿(インチンコウ)といいますが、この葉に似ていることから「岩場に生えるヨモギ」の意味でイワインチンの名が付きました。
地下茎は短く横に這って、茎は叢生します。茎の高さは10〜20cmあり、細くて硬いです。葉は写真にあるように羽根状に深く裂け、裂片は幅1〜1.5mmの線形で、裏には毛が銀白色に密生しています。
花期は8〜9月で、茎の頂部にたくさんの丸い黄色の頭花を密な散房状に付けます。頭花の径は3〜4mmで、小さな総苞はやや球形で長さ2.5mmです。ごく小さな花ですがじっくり観察してみてください。天眼鏡を覗くと、意外な発見があるかも知れません。
下は花が終って黄金に黄葉した写真です。黄色の花はもちろん目立ちますが、黄金色の葉もまたきれいですよ!9月の末頃に見ることができますので、草紅葉までとはいいませんが、深く裂けた黄色~黄金の葉に出あえたら確認してください。
(山梨市森林セラピー推進協議会 森林セラピスト / 四十物治夫(あいものはるお))
- 前の記事を読む(お庭レシピ 第24回 ビワ)
- 次の記事を読む(五感をくすぐるセキヤノアキチョウジ)