毎日欝々としたニュースしか流れず、これからどうなるんだろうと不安が募るばかりです。このままではいけないと少し気分転換をするために、人通りの少ない道を散歩していると、そこかしこの露地に星が降りているのを見つけました。
あ! 新しい季節がもう来ている! 落ち込んでばかりはいられません。
露地に舞い降りた星の正体は「ハナニラ」という花。
南米のアルゼンチンが原産地です。英名では「スプリングスター(Spring Star)というそのままな名前です。六芒星形の花が特徴的なのでベツレヘムの星とも呼ばれます。花弁の中心に薄紫色の筋が入るタイプ、白花、薄い桃色、藤色、黄色などバリエーション豊かです。
晴れた日にはしっかり開いていますが、曇りの日や雨の日にはしぼんでしまい星に出あうことはできません。花の可憐さに心惹かれ、一輪摘んでみると……⁉︎ 凄まじい臭気に驚いた方もおられるのではないでしょうか。野菜のニラかネギと同じような匂いがすることがその名の由来なのです。ネギ科の植物ではありますが、残念ながら食用にはなりませんのでご注意を。
ハナニラは球根植物です。球根を9月から10月にかけて植え付けましょう。寒さや日陰に強く、花後に掘り上げる必要がないのが忙しいガーデナーにはありがたいですね。ただし、繁殖力が強く勝手にどんどん増えるので、庭を占領されないようにご用心を。あまり増えてほしくないのであれば、小さいプランターや鉢に植えこんだものを花壇に埋めるとよいでしょう。
基本的に葉を含め地上部が見られるのは春のみですが、花色と品種によって開花期が少しずつ違います。手間いらずの植物なので少しずつ集めてみるのもおもしろいかもしれません。梅雨と共に瞬時に姿を消してしまう様子は、夜明けの空のようでもありますね。
家に閉じこもりがちですが、少し外の空気を吸ったり歩いたりすることも必要です。お散歩をしながら、ご近所さんのお庭や道端に生えている植物の観察をするのも気分転換になってよいものです。ぜひ地上の星を探しに少しだけお散歩に出かけてみてください。